ちきりんさんのブログで紹介され、アマゾンで一時在庫切れになってしまったらしい『ワークシフト』。
2025年に、グローバル化やエネルギー問題によって世界がどう変化をしているのか、それによってわたしたちの働き方や生活がどう変化しているのかを予測していく、とても刺激的な本です。
→ちきりんと一緒に 『未来について考えよう!』 - Chikirinの日記
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: ハードカバー
- 購入: 17人 クリック: 476回
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先日本が届き、本日やっと半分くらいまで読み終わりましたが、かなり面白いです!
2012年の個人的ベスト5には入ると思う。おすすめの本です。
昨年から晴れて社会人となり、正社員として働きだした私。ですが、うちの会社がブラックなせいか(…)、もともとの私の趣向なのか、自分の人生や働き方については入社以来、毎日頭痛がするくらい考えてきました。
そんなとき、ちきりんさんのいくつかのエントリが、今後の働き方についていくつかの示唆をあたえてくれました。以来、彼女のブログのファンです。
キャリアについて考える上で、特にお気に入りのエントリは以下の3つ。
キャリアのVSOP - Chikirinの日記
それぞれの時代 - Chikirinの日記
まだいける、と思ってた? - Chikirinの日記
特にドキッとしたのが一番下の「まだいける、と思ってた?」というエントリで、詳しくは読んでみてほしいのですが、この中でちきりんさんは「37歳限界説」のようなものを唱えています。
「37歳限界説」というのは、簡単に要約すると、人生は37歳頃になると良くも悪くも「未来は今の延長線上にしかなくなってしまう」という説。
37歳までぐうたらだった人はずっとぐうたらだし、37歳まで決断できなかったらその先もずっと決断できない。
若い頃何となく夢見る(私も今夢見ている!)「今の自分とはちがう生活をしている自分」というのが、実現不可能になる年齢らしいのです。
さすがの私も、この年になって「私の本当にやりたいことは〜」とか「夢が〜」とか「自分探し」とかは恥ずかしくて正面きっては言えないですが、それでも今のような会社でずっと神経をすり減らしながら65歳まで働くのは無理だなぁ、もうちょっとちがう働き方はできないかなぁと考えているわけです。
ちきりんさんがこのエントリ内でいっている、第1回目の勝負――学生から社会人になるときでの勝負で、私は正直、コケました。失敗しました。
でも、私は20代前半です。これで人生終わりなんて冗談じゃない。まだ挽回できるんじゃないか。チャンスはあるんじゃないか。
そう思っていたときにこのエントリを読み、ほらやっぱり、まだ終わってない! 2回目の勝負があるんだ! 頑張らなきゃ! と、奮起することができたのです。
また、今まで成功していた人ほどこの転機のマネジメントは難しくなります。就職活動時期が不況で“挫折認識”のある人は、ずっと「次こそは!」と思っているでしょう。でも最初に上手くいった人は、リスクをとるのが怖くなります。そこそこ上手く行ってると「もうちょっとこのままでもいけるんじゃないか」という気がしちゃうのです。
そうやって「まだいけるんじゃないか」「まだもうちょっとはいけるだろう」といいながら決断を先延ばしにしていると、37才でなにか変だと気がついて、あれっ?と思っている間に40才になって……ということが起こります。
上はブログからの引用ですが、第1回目で失敗しているぶん、私はこういう油断はしないでしょう。だからといって2回目の勝負で成功できるとは限りませんが、「気付いたら何もしないうちに2回目の勝負が終わってた…」みたいなことは避けられそうです。
35〜37歳くらいで訪れるという“人生2回目の勝負”で、私は勝ちたい。
もちろん、まわりの誰かと勝負して「勝つ」ということではありません。そういう考え方はもう古いよ、っていうのが、『ワークシフト』を読むとわかります。
「勝つ」というより、人生の正しいゴールへ近付く、という感じ?
それで、そのためには37歳の自分を取り囲んでいる環境が今とどう変化しているのか、できるだけ具体的に予測しておきたいというわけです。
正しいゴールにたどりつくために、この10年でしなければならないことは? 身に付けないといけないスキルは? 優先順位は?
『ワークシフト』には、それを考えるヒントがたくさんつまっています。まだ半分しか読んでないけど。
2025年、私は38歳になっています。そのときの自分が、今日のこのブログのことを覚えていてくれるといいな。
ちなみに、働き方を考える上で面白かった本にはこんなのもあるので紹介しておきます。
- 作者: 木暮太一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: 新書
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★★★
最後に、いるかどうかわからないけど、このブログを読んでくれている女性のかたへ。
「自分の人生を変える」手段を、男の人や結婚や出産に委ねるのはやめましょう。
私はフェミニストでもキャリアウーマンでもありませんが、そういう類の夢は捨てました。現実的に考えて、リスクが高すぎるからです。
結婚しないほうがいいといっているわけではありません。むしろ、私はすごく結婚したいです。
でもそれは、「自分の人生を変えるため」じゃなくて、あくまでも補助的な役割としてです。コストや生産性を考えたうえで効率がいいと思うから。
自分の人生を変えられるのはたぶん、自分しかいません。
性別の幻想から、早く自由になりましょう。「女として」じゃなくて、「人として」生きられるようになったほうがラクな気がします。
というようなことを考えさせてくれるのは、この2冊。
- 作者: 西原 理恵子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略
- 作者: 小室淑恵,駒崎弘樹
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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西原さんの本のほうは、とにかく経済的自立をしろ! という本。
もう1冊のほうは、男の人に人生を委ねる従来の結婚ではなくて、「2人で最高のチームをつくる」という結婚観がすてきだなーと思って読みました。
★★★
10月6日のSocial book reading with Chikirinに参加したい…
でもツイッターはやりたくない…どうすれば…
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最近の葛藤
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8/27 読み終わりました!→『ワーク・シフト』 読み終わりました。 - (チェコ好き)の日記
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9/10 『ワーク・シフト』を別の方向から考えてみました。
『呪いの時代』 ノブレスを回せ! - (チェコ好き)の日記