大阪や京都で「リーガロイヤルホテル」を運営するロイヤルホテルは25日、大阪市中心部の中之島地区に新しいブランドの高級ホテルを2017年夏に開業すると発表した。大阪市内のホテルの客室稼働率、単価は上昇傾向にあるが、新ホテルが成功するには他の高級ホテルとの違いを出し、同じ地区で営業する同社の既存ホテルとのすみ分けを明確にする必要がある。
新ホテルは中之島フェスティバルタワーと正対し、朝日新聞社などが建てる高層ビルに入居する。客室数は170と小ぶりにする一方で、部屋面積は50平方メートル以上と広くする。1泊1室の料金は外資系高級ホテル並みの4万~6万円程度。年間売上高で40億円前後を見込む。
地上41階、地下4階建てのビルの40階にフロントロビーとレストランを設け、33~37階を客室階、38~39階には宴会場とチャペルをつくる。
一方、同じ中之島地区で運営し、本社のあるリーガロイヤルホテルは建て替える。再開発地域にあたっているためで、地権者の森トラスト、関電不動産と協議中。建て替え後の開業は21年をメドとし、今後2~3年をかけて具体的な計画を詰める。ロイヤルホテルの川崎亨社長は25日の記者会見で「中之島の街づくりに沿ったホテルとして検討している」と話した。
新ホテルの成否を左右するカギは2つ。まず大阪市内での他の高級ホテルとの競争だ。昨年6月にはグランフロント大阪にインターコンチネンタルホテル大阪、今年3月にはあべのハルカスに大阪マリオット都ホテルと、外資系高級ホテルの開業が相次いだ。
これらと施設やサービスの面で違いを打ち出せるかが焦点となる。新ホテルの主な顧客として想定するのは、資金や時間に余裕のある「アクティブシニア」。川崎社長は「培ってきたおもてなしを洗い直し、磨き上げたい」と意欲を見せた。また知名度では外資に劣るため、アジアなどの富裕層取り込みに向けた営業活動の強化も必要になる。「外国人客の利用比率は、開業当初でリーガロイヤルホテル並みの十数%を見込んでいる」(川崎社長)
もう1つがリーガロイヤルホテルとのすみ分けだ。同ホテルは客室数が972と大阪で最大。1泊1万円程度のシングルルームから同100万円程度のスイートルームまで幅広い客室を備える。大規模な宴会場を活用した宴会需要が収益の柱だ。
川崎社長は「新ホテルで狙うのはリーガロイヤルとは違う客層。相乗効果でどちらも売り上げを伸ばしたい」と話し、リーガロイヤルでは建て替え後も今の路線を維持する考えを示唆した。
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