シナネンも経営参画、業務提携を模索へメリダがミヤタサイクルの筆頭株主に モリタHDが株式を譲渡
モリタホールディングス(HD)は3月27日までに、保有するミヤタサイクル株の大半を台湾の大手自転車メーカーのメリダなどに譲渡した。これによりミヤタサイクルはモリタHDの連結子会社から離れ、新たにメリダが株式の45%を保有する筆頭株主となった。ミヤタサイクルは今後、メリダとの緊密な連携のもとで事業の再構築を図る。
ミヤタサイクルの株式はこれまでモリタHDが70%、メリダが30%を保有していた。今回、モリタHDは15%をメリダへ、20%を燃料商社で自転車事業も手がけるシナネンへ、また10%は従業員持株会の導入を前提にミヤタサイクルへ譲渡した。
これにより新しい持株比率はメリダ45%、モリタHD25%、シナネン20%、ミヤタサイクル10%となった。
ミヤタサイクルはもともと、消火器・消火設備事業と自転車事業を両輪とする宮田工業の自転車部門として事業を展開していた。その宮田工業が2008年にモリタHDの子会社となり、2010年には自転車部門をミヤタサイクルに分社化。メリダが株式の30%を取得して経営に参画していた。今回の株式追加取得によって、メリダのミヤタサイクルに対する影響力はいっそう強まった。
モリタHDの開示資料などによると、ミヤタサイクルの平成25年3月期の売上高は27億円、最終利益は1500万円で、HD全体の売上高671億円、最終利益28億円に対しそれぞれ4.2%、0.5%にとどまっていた。
一方、新たにミヤタサイクルの大株主となったシナネンは、ニューバランスブランドのスポーツサイクルなどを販売しているほか、昨年1月には自転車店チェーン「ダイシャリン」の運営会社を買収するなど、自転車事業を強化してきた。今後はミヤタサイクルに経営参画し、業務提携を模索するものとみられる。