東京メトロ千代田線とJR常磐線の相互乗り入れ区間の約35キロで24日、自動列車制御装置(ATC)による自動ブレーキが作動しない状態で列車が運行していたことが分かった。手動ブレーキは正常に作動し、乗客約300人にけがはなかった。

 東京メトロとJR東日本が28日、発表した。

 両社によると、24日朝、代々木上原(東京都渋谷区)から柏行きの普通列車(10両)が発車する際、東京メトロの運転士が、ATCの切り替えスイッチを誤操作。自動ブレーキが作動しなくなり、松戸駅(千葉県松戸市)の手前の制限速度が時速45キロのポイントを時速70キロで通過した。綾瀬駅(東京都足立区)で運転を引き継いでいたJRの運転士が異常に気付き、手動ブレーキをかけた。松戸駅から3駅先の新松戸駅で、スイッチのミスとわかり、直したという。

 列車はJRの車両で、千代田線に直通運転する小田急線でも運行できるよう設定を追加中だった。東京メトロの運転士が始発時、スイッチをまだ機能していない小田急線用に入れてしまったという。JRはスイッチが小田急線用に入らない処置をとり、両社は乗務員にATCの確認を徹底。「深くおわび申し上げます」としている。(上沢博之)