国連規約人権委員会は27日、米政府の無人機を使った対人攻撃について「攻撃基準の透明性に欠ける」などと指摘し、無人機の運用の再検討を勧告した。

 この日公表された「最終見解」とされた文書で、無人機による攻撃が「アルカイダやタリバンなどとの武力紛争」における「自衛のため」という米国の主張を紹介。その上で、米国が訴える「武力紛争」の定義や地理的範囲が広いことに懸念を示した。

 また最終見解では、米中央情報局(CIA)のスノーデン元職員が暴露した米国家安全保障局(NSA)による通話・通信記録の収集や保管など監視活動についても触れて、「悪影響を受けた人々の権利保護が十分でない」などと指摘。監査の見直しを求めた。

 同委員会は18人の専門家で構成され、これまでに日本の死刑制度の廃止を勧告したこともある。(ジュネーブ=松尾一郎)