ほぼステマブログ

お金がない時のために覚えておきたい、安全なお金の借り方(公的融資制度一覧)

プロフィール画像

ライター:すてお

すておです。最近、知らない間にクレジットカードがリボ払いになっていて(というか自動リボ払いになっているのを知らなくて)、債務額がエライことになっている人の話をネットで見ました。

たしかにリボ払いはやばいです。こういう話があると、「クレカなんか借金!借金はしないに限る!キャッシングは悪!!」みたいな論調になりがちなんですが、正しい知識で、よく理解した上でなら、「お金を借りること」自体は悪いものではないなと思ったので、この記事を書いてみることにしました。

人生には一時的にお金がないときだってあるもの。「お金を借りる」ための制度やサービスはそんなとき、助けてくれるものです。

ただ、気をつけたいのは、「一時的にお金がない」とはどういう意味か、という点。

お金を借りる=キャッシングやカードローン、という図式がぱっと浮かびますが、「欲しいものがあるけど、今月、ちょっとお金がないわ~」というのと「お金がなくて今月も生活が苦しい……」というのでは大違い。後者のように慢性的にお金がない人や、仕事がなくて収入が途絶えているという人がキャッシングを利用するのは非常に危険です。

金利の高いキャッシングで返済が自転車操業的になってしまうと、いつかどこかでつまづきがやってきます。そうなると一気に多重債務に陥ったり、破綻してしまったりするからです。

慢性的な「お金がない」には公的な融資制度がある

では、そんな「本当にお金がない人」の場合はどうすればいいのでしょう。

それは福祉目的の、公的な融資制度を利用する、というのが答だと思います。これが案外、いろいろとあるのですね。調べてみました。

・生活福祉資金貸付 総合支援資金

厚生労働省の「生活福祉資金貸付制度」は福祉のための公的融資制度の代表的なものです。

生活費のほか住居費などをかなり有利な条件で借りることができます。 公の制度だけあって、金利は1.5%。保証人を立てれば無利息(!)です。

資金の種類 貸付限度額 金利
生活支援費 二人以上の世帯:月20万円
単身世帯:月15万円
※最大12か月まで
保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
住宅入居費 40万円
一時生活再建費 60万円
・求職者支援制度

他にも仕事がなくてお金に困っているが、働く意志はあって仕事を探している。でも雇用保険がなくて(もしくは給付が終わってしまって)……という人には、給付金をもらって職業訓練を受けられる「職業訓練受講給付金」という制度があります(これは給付金ですので返済しなくていい「もらえるお金」です!)。この給付金を受け取っている人は、さらに生活費として、「求職者支援資金融資」という貸付を受けることもできます。

資金の種類 貸付限度額 金利
職業訓練受講給付金 月額10万円+交通費 ※給付金なので返済不要
求職者支援資金融資 同居配偶者等がいる:月10 万円
それ以外:月5万円
年2.5%
・母子福祉資金、女性福祉資金(東京都)

上に紹介した2つは国の制度でしたが、地方が独自に運営しているものもあります。たとえば東京都にある母子福祉資金、女性福祉資金。母子福祉資金は都内在住で20歳未満のお子さんを扶養している母子家庭の母親に、女性福祉金は都内在住で配偶者がいなくて扶養家族のいる女性向けの融資制度です。

こういった地方独自の制度や、母子家庭であるなど特定条件によって受けられる制度もあるので、いちど、自分の地域の情報を調べてみましょう。

資金の種類 貸付限度額 金利
母子福祉資金(生活資金) 技能習得期間中:月額14万1,000円
その他の期間中:月額10万3,000円
保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
女性福祉資金(生活資金)
・子ども教育資金を低金利で借りられる制度や補助金

よく考えてみると、「まとまってお金が必要になる事態」というのは、ある程度限られているのではないでしょうか。そしてそういったものには、たいてい国や地方でなんらかの支援制度が用意されていることが多いのです。

たとえば「子どもの教育資金」。先に紹介した生活福祉資金貸付制度や、東京都の母子福祉資金・女性福祉資金制度の中には、学費用の貸付制度が別に用意されています。また、児童手当などの補助金もあります。

資金の種類 貸付限度額 金利
生活福祉資金貸付制度
教育支援資金
教育支援費:
・高校…月3.5万円以内
・高専…月6万円以内
・短大…月6万円以内
・大学…月6.5万円以内
就学支度費(入学金等):
50万円以内
無利息
母子福祉資金女性福祉資金
修学資金
月額1万8,000円~9万6,000円
※学校の種別など条件によって異なる
保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
児童育成手当 月額1万3,500円 ※給付金なので返済不要
児童扶養手当 月額4万1,430円
※条件によって異なる
※給付金なので返済不要
・公的な給付金

他にも特定の事情があってお金が必要というときに、公的保険から専用の給付金がもらえる場合があります。給付金は融資ではなく、もらえるお金ですので、これは受け取らないと損です。原則、申請しないともらえないものですので、知っておきましょう。

給付金 給付の内容・条件 給付額
出産育児一時金 健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したとき、出産にかかる費用を支給。 42万円
出産手当金 協会けんぽの健康保険の被保険者が出産のため仕事を休み、給与が支払らわれなかったとき、その間の生活費を支給。 給料の2/3相当額
育児休業給付 雇用保険の被保険者が、1歳未満の子どもを養育するために育児休業をしたとき、支給。 給料の1/2相当額
介護休業給付 雇用保険の被保険者が、家族を介護するために休業したとき、支給。 賃金日額×支給日数×40%(上限あり)
葬祭費給付金 健康保険・国民健康保険の被保険者が亡くなったとき、葬祭費・埋葬費を支給。 健康保険から:5万円
国民健康保険から:自治体によって異なるが1~7万円程度。

 

こうした公的融資制度の利用には、審査や利用資格・条件があって、「ちょっと今月ピンチなんで貸して下さ~い」ってわけにはもちろんいきません。特に生活福祉資金貸付制度のほうはそこそこしっかりした審査があり、誰でも利用できるものではないという話も聞きます。

このことからも、単に「欲しいものがあるけどお金がない」などではなく、やむにやまれぬ事情があってお金に困っている人のために、こうした制度が用意されているのがわかります。

キャッシングへの忌避感同様、こうした福祉の制度であっても、「お金を借りるのは恥ずかしいこと」みたいな感覚はあるように思います。だからといって、頑なに借入を拒否して生活が破綻したのでは本末転倒です。生活費レベルでお金がなくて困ったら、公的融資について調べたり、役所に相談したりしてみましょう。

キャッシングはきちんと使えば怖くない

知人の話なんですが、キャッシングをめちゃくちゃ利用してる人がいたんです。……と聞くと、多重債務者的なヤバイものを想像してしまうと思うのですが、その人はとある有名企業に勤務していて高収入(たぶん)。ただ、毎晩のように飲み歩いており、人に奢ったりするのも好きなので、そのせいで給料日前にはお金がなくなっちゃうらしいんです。

それでキャッシングで少しだけ(飲み代を)借り、翌月にはすぐさま完済してしまうのだそうです(そしてまた借りる……)。

最初に聞いたときはなにそれ(笑)って思ったのですが、考えてみれば、こういうのがキャッシングのいちばん正しい使い方だな、と思いました。

キャッシングの金利はだいたい18%くらいですが、これは年利ですから、借りた元本が2万円くらいの少額なら、ひと月の利子は300円弱。毎月借りたとしても、年間で支払う利子は3,500円くらいなんです。自分の貯金をATMで下ろしたって手数料を100~200円くらいとられてしまうことがあるのですから、それに比べてもすごく負担だという感じではありません。

●年利18%で毎月2万円借りてすぐ返した場合の利子
借入額月2万円×年利18%÷365日×30日=約296円
約296円×12か月=約3,551円

もちろん、借りなければ金利はかからなかったのですから、「年間3,500円の損をしている」と言えばそうかもしれません。ですがこの人は年間3,500円程度のコストを支払うことで、「お金がなくて飲みに行けない!」というストレスからは解放されたのだと、そのように考えることもできます。

借金というとどうしても敬遠されがちですが、よく理解して上手に利用すれば、キャッシングは悪いものではないですし、利点もあるということです。

借金が嫌い人は、「金利」というものにアレルギーがある人が多い気がします。

けれども、金利を、「支払いを先延ばしにするためのコスト」と考えれば、支払いが先延ばしになることで得られるメリットと比較して考えられるのではないでしょうか?

※ただしリボ払いは除く

最初の話に戻りますが、キャッシングは上手に利用すれば問題ありませんが、ひとつだけ、「リボ払い」にだけは注意をしたほうがいいです。

リボ払い、正式にはリボルビング払いと呼ばれる、借入総額に関係なく、毎月の返済額を一定にする返済方式は、よく理解しておかないととんでもないことになってしまいます。

通常、ある借入(クレジットカードでの買い物を含みます)をした後、また別の借入をすると、そのぶん返済しなければならない額も増えていきます。

リボ払いは、しかし、いくら借入があっても返済額が変わらないため、借入が増えても月々の支払いは苦しくならないというメリットがあるのですが……そのかわり、元金の返済がなかなか終わらないため、完済までの期間が長引き、結局、トータルでの支払い総額は増えてしまうばかりか、ひどいときには返済が半永久的に終わらないような状態に陥ることさえあります。

リボ払いのしくみと注意点について(財)日本クレジット協会のサイトに詳しい解説がありました。

リボ払いについて

出典:リボルビング払いってなに?(日本クレジット協会)

しくみを理解せずに無計画に利用すると、返済期間が際限なく延びていく点についても解説されています。(財)日本クレジット協会はクレジットカード関連の業界団体ですから、本来、クレジットカードを消費者にもっと利用してほしい立場のはずです。そんな立場からでさえ、注意喚起をしなければいけないほどだということでしょうか。

キャッシングの利点は、「今、この瞬間にお金がない」場合でも、お金をつくることができるということです。

ただし、キャッシングでつくったそのお金は、無から生まれたわけではなく、金利を手数料にして、「未来の自分から前借した」と考えるべき。つまり、「未来の自分が持っていないお金」(持っていると確実に言えないお金)を借りるべきではないのです。

逆説的ですが、「キャッシングを利用していいのは、お金がある人だけ」なんです。「お金はあるけど、今この瞬間にはない」、そんな人のためのサービスだと理解したほうがいいです。

リボ払いは、そうして借りたお金を、「毎月一定額だけしか返さない」ことで、「余分に借り続けてしまう」行為です。そのぶん金利がかさんでしまいます。住宅ローンなどでは、繰り上げ返済の重要性がよく言われているように、借りたお金はできるだけ早く返してしまうほうが有利です。

じゃあ、リボ払いには良い点はひとつもないのか?と問われると……、まあ、支払い額をとりあえず抑えられるので、1回利用するくらいなら問題はないです(1回だけなら分割払いと同じ)。何回も利用する場合は、リボ払いはやめておいたほうがいいでしょう。

ひとつ、裏ワザみたいなのがあって、リボ払いを、支払額の上限を高く設定しておき、実質的に1回で払い終われるようにしておくというのもあります。そうすると債務はかさみませんし、クレカはリボ払いにするとポイントが多くたまったりするので、ポイント狙いで得するというワザです。

まとめ

まとめます。

・「お金がない」という状態は、一時的なものと慢性的なものがある。
・後者の場合、キャッシングなどを利用してはダメ。公的融資制度を検討すべき。
・お金はあるけど今はない、というだけの人はキャッシングを上手に使うと便利。
・ただしリボ払いには注意。原則、選ばないほうがいい。

このあたりをおさえた上で、「お金を借りること」自体は悪いものではないということを理解しておきたいですね。

スポンサードリンク

ステマ(ご紹介)いつでもお待ちしています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿日時: 14年03月27日17時26分 | カテゴリ:マネー |