After Effectsで綺麗なグローをつくるテクニック
- 2014/03/29
- 01:13
グロー、つまり“光のにじみ”の効果は、画づくりの中でとても重要な要素です。グローは、画面にアクセントを加え、魅力的な画にしてくれます。
自由にグローをつくれるようになれば、きっとコンポジットで画のクオリティーを格段に上げることができるようになると思います。
というわけで、今回はAfter Effectsで綺麗なグローをつくる方法を紹介したいと思います。これはあくまで私のやり方なので、他のやり方もあります。しかし、少なくとも標準の[グロー]エフェクトより、ずっとコントロールしやすい方法です。
私のグローをつくる方法は、簡単に言ってしまうと、「ボケ加減の異なるレイヤーをスクリーンか加算で重ねる」というだけです。レイヤー数は光の「芯」の部分のために1レイヤー、「グロー」の部分のために(場合により)3~6レイヤー程度使います。
複数のレイヤーでグローをつくるわけです。そして、1レイヤーずつ分解すると以下のような構造になっています。
グローのためのレイヤーは、ボケ加減が「下のレイヤーの倍」になるように設定しています。なぜこのような構造にするかというと、光の減衰を表現するためです。グローを単純なグラデーションにするのではなく、グローの内側は光が「狭く強い」、外側は「広く弱い」という特徴を再現して、「光っている感じ」を出そうというわけです。
では、グロー部分のレイヤーをどのようにつくっているか、見てください。シンプルなものです。
1. まず、[塗り]エフェクトを使用して色づけしてます。これはレイヤーを単色で塗りつぶすエフェクトですが、特定の色でレイヤーを塗りつぶしたいときにとても便利です。私は、レイヤーごとに色を変えることもあります。その場合、グローの内側ほど明るい色にしたり、白っぽくしたりします。
2. 次に、[最大/最小]エフェクトを使用して、アルファを太らせています。[最大/最小]はアルファを太らせたいときによく使用しています。その際、チャンネルは[アルファとカラー]に設定します。ぼかすとレイヤーが薄くなってしまうので、それを防ぐために、ぼかす前に太らせる処理をしています。ただし、この[最大/最小]エフェクトは必ずしも必要ではありません。必要だと思ったときに使います。
3. 最後に、[ブラー(滑らか)]エフェクトでぼかします。[エッジピクセルを繰り返す]というオプションは、そのレイヤーの端の処理を変えるオプションで、場合によってチェックを入れるか決めます。
当然ですが、[ブラー(滑らか)]や[最大/最小]の数値は、光の「芯」の大きさによって調整する必要があります。1ピクセルの光の粒子をグローさせたいときと、300ピクセルの爆発をグローさせたいときでは、適切な数値は全く変わってきます。「光の芯の大きさ」次第で変えるわけですが、必ずしも機械的に調整するのではなく、最終的には見た目を重視して調整しています。
さて、応用編です。爆発や炎などのディティールのある素材をグローさせる場合も、基本的には同じ考え方です。ボケ加減の異なるレイヤーをスクリーンか加算で重ねます。
ディティールのある素材をグローさせる場合は、使うエフェクトがちょっと違ったりします。
1. [レベル]エフェクトで明るさを適度に絞ります。こうすることで、ある程度明るい部分だけがグローするようになり、自然な変化が生まれます。この処理は必要に応じて行います。
2.(単色で色付けしたい場合は)[色相/彩度]エフェクトを使用して色付けします。[塗り]エフェクトを使ってしまうと元素材の明暗が失われてしまうためです。[色相/彩度]エフェクトで色付けする場合は、最初に[色相]を決定します。色相が20~30あたりのオレンジや、210~220あたりのブルーは私のお気に入りです。彩度はとりあえず100にして、明度は必要を感じたら上下させます。
3. 最後に、[ブラー(滑らか)]エフェクトでぼかします。
以上で、私の「綺麗なグローをつくる方法」の説明は終わりです。要点をまとめておきましょう。
◆ボケ加減が倍のレイヤーを複数、スクリーンや加算で重ねてグローをつくる。これは光の減衰を表現するためである。
◆ぼかす前に[最大/最小]エフェクトを使用してアルファを太らせることもある。
◆ぼかす前に[レベル]エフェクトを使用して明るさを絞ることもある。
◆レイヤーを色付けする場合、[塗り]エフェクトや[色相/彩度]エフェクトを使う方法などがある。
※合成モードについては、少し難しい問題です。After Effectsの作業用スペースがデフォルトの場合について言うと、私は一度すべて[スクリーン]で重ね、様子を見て1~2レイヤーだけ[加算]に変更することが多いです。それが、美しい階調を残しつつ、発光感を出す1番の方法だと思います。最終的には見た目が全てなので、柔軟に考えるようにしています。
ところで、実を言うと私は、長い間After Effectsの標準[グロー]エフェクトを使用していました。でも、いつも「なんだか使いづらい」「綺麗にならない」と感じていました。
いろいろな方法を試すうちに、今のやり方に落ち着いたわけですが、以前に比べるとずっと自由にグローをつくれるようになったと思います。この方法はレイヤー数は多くなってしまいますが、「自分がなにをやっているか」をきちんと把握して、グローを完全にコントロールできます。
標準の[グロー]エフェクトが一番良い方法だと思い込んでいる人には、ちょっと試していただきたいです。グローをつくるのが本当に楽しくなります。そして、映像のクオリティーも、ぐっと良くなるはずです。
自由にグローをつくれるようになれば、きっとコンポジットで画のクオリティーを格段に上げることができるようになると思います。
というわけで、今回はAfter Effectsで綺麗なグローをつくる方法を紹介したいと思います。これはあくまで私のやり方なので、他のやり方もあります。しかし、少なくとも標準の[グロー]エフェクトより、ずっとコントロールしやすい方法です。
私のグローをつくる方法は、簡単に言ってしまうと、「ボケ加減の異なるレイヤーをスクリーンか加算で重ねる」というだけです。レイヤー数は光の「芯」の部分のために1レイヤー、「グロー」の部分のために(場合により)3~6レイヤー程度使います。
複数のレイヤーでグローをつくるわけです。そして、1レイヤーずつ分解すると以下のような構造になっています。
グローのためのレイヤーは、ボケ加減が「下のレイヤーの倍」になるように設定しています。なぜこのような構造にするかというと、光の減衰を表現するためです。グローを単純なグラデーションにするのではなく、グローの内側は光が「狭く強い」、外側は「広く弱い」という特徴を再現して、「光っている感じ」を出そうというわけです。
では、グロー部分のレイヤーをどのようにつくっているか、見てください。シンプルなものです。
1. まず、[塗り]エフェクトを使用して色づけしてます。これはレイヤーを単色で塗りつぶすエフェクトですが、特定の色でレイヤーを塗りつぶしたいときにとても便利です。私は、レイヤーごとに色を変えることもあります。その場合、グローの内側ほど明るい色にしたり、白っぽくしたりします。
2. 次に、[最大/最小]エフェクトを使用して、アルファを太らせています。[最大/最小]はアルファを太らせたいときによく使用しています。その際、チャンネルは[アルファとカラー]に設定します。ぼかすとレイヤーが薄くなってしまうので、それを防ぐために、ぼかす前に太らせる処理をしています。ただし、この[最大/最小]エフェクトは必ずしも必要ではありません。必要だと思ったときに使います。
3. 最後に、[ブラー(滑らか)]エフェクトでぼかします。[エッジピクセルを繰り返す]というオプションは、そのレイヤーの端の処理を変えるオプションで、場合によってチェックを入れるか決めます。
当然ですが、[ブラー(滑らか)]や[最大/最小]の数値は、光の「芯」の大きさによって調整する必要があります。1ピクセルの光の粒子をグローさせたいときと、300ピクセルの爆発をグローさせたいときでは、適切な数値は全く変わってきます。「光の芯の大きさ」次第で変えるわけですが、必ずしも機械的に調整するのではなく、最終的には見た目を重視して調整しています。
さて、応用編です。爆発や炎などのディティールのある素材をグローさせる場合も、基本的には同じ考え方です。ボケ加減の異なるレイヤーをスクリーンか加算で重ねます。
ディティールのある素材をグローさせる場合は、使うエフェクトがちょっと違ったりします。
1. [レベル]エフェクトで明るさを適度に絞ります。こうすることで、ある程度明るい部分だけがグローするようになり、自然な変化が生まれます。この処理は必要に応じて行います。
2.(単色で色付けしたい場合は)[色相/彩度]エフェクトを使用して色付けします。[塗り]エフェクトを使ってしまうと元素材の明暗が失われてしまうためです。[色相/彩度]エフェクトで色付けする場合は、最初に[色相]を決定します。色相が20~30あたりのオレンジや、210~220あたりのブルーは私のお気に入りです。彩度はとりあえず100にして、明度は必要を感じたら上下させます。
3. 最後に、[ブラー(滑らか)]エフェクトでぼかします。
以上で、私の「綺麗なグローをつくる方法」の説明は終わりです。要点をまとめておきましょう。
◆ボケ加減が倍のレイヤーを複数、スクリーンや加算で重ねてグローをつくる。これは光の減衰を表現するためである。
◆ぼかす前に[最大/最小]エフェクトを使用してアルファを太らせることもある。
◆ぼかす前に[レベル]エフェクトを使用して明るさを絞ることもある。
◆レイヤーを色付けする場合、[塗り]エフェクトや[色相/彩度]エフェクトを使う方法などがある。
※合成モードについては、少し難しい問題です。After Effectsの作業用スペースがデフォルトの場合について言うと、私は一度すべて[スクリーン]で重ね、様子を見て1~2レイヤーだけ[加算]に変更することが多いです。それが、美しい階調を残しつつ、発光感を出す1番の方法だと思います。最終的には見た目が全てなので、柔軟に考えるようにしています。
ところで、実を言うと私は、長い間After Effectsの標準[グロー]エフェクトを使用していました。でも、いつも「なんだか使いづらい」「綺麗にならない」と感じていました。
いろいろな方法を試すうちに、今のやり方に落ち着いたわけですが、以前に比べるとずっと自由にグローをつくれるようになったと思います。この方法はレイヤー数は多くなってしまいますが、「自分がなにをやっているか」をきちんと把握して、グローを完全にコントロールできます。
標準の[グロー]エフェクトが一番良い方法だと思い込んでいる人には、ちょっと試していただきたいです。グローをつくるのが本当に楽しくなります。そして、映像のクオリティーも、ぐっと良くなるはずです。