準強姦、強制起訴に無罪 鹿児島地裁判決「拒否困難と言えず」
ゴルフの教え子だった女性=当時(18)=に性的暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)罪で強制起訴されたゴルフ練習場経営の男性(62)の判決で、鹿児島地裁は27日、「(女性は)拒否することが困難な精神的状態だったとは断言できない」として無罪(求刑懲役4年)を言い渡した。
男性は2006年12月、ゴルフの指導という名目で、当時高校生だった女性を鹿児島市内のホテルに連れ込み、師弟関係を利用して女性が心理的に抵抗できない状態にして性的暴行をしたとして、12年12月に強制起訴された。
安永武央裁判長は判決理由で「(女性の)人格部分を支配する強い従属関係にあったとは認めがたい」と指摘。「女性が心理的に抵抗できない状態だったことは可能性にとどまり、男性がそれを認識することは極めて困難」と述べた。
鹿児島地検は、書類送検された男性を不起訴処分にしたが、鹿児島検察審査会が2度にわたり「起訴相当」と議決し、男性は強制起訴された。法務省などによると、全国で強制起訴された事件は8件あり、今回を含めて一審判決が出た6件のうち有罪は1件だけ。
=2014/03/28付 西日本新聞朝刊=