ゴルフの教え子で18歳の高校生だった女性への準強姦罪に問われ、性犯罪で初めて強制起訴されたゴルフ練習場経営者の判決で、鹿児島地裁は27日、無罪を言い渡した。
最高検によると、強制起訴の一審判決はこの日を除き5件あり、うち有罪は科料9千円とした徳島地裁判決の1件。無罪判決が続き、制度をめぐる議論が高まりそうだ。
安永武央裁判長は判決理由で「女性は性行為を拒否することが著しく困難な精神状態だったとは認められない」と述べた。
公判で検察官役の指定弁護士は「支配的な師弟関係にあり、女性は抵抗できなかった」とし、長年の指導経験から心理を把握していたと主張。懲役4年を求刑していた。
しかし、判決は「ドメスティックバイオレンスのような強い支配従属関係にあったとは言えない。女性が人間関係を壊さないため、主体的に抵抗しなかった可能性も排除できない」と述べた。
経営者は2006年12月9日にゴルフ指導を口実に女性をホテルに連れ、混乱して抵抗できない状態と知りながら乱暴したとして起訴された。
鹿児島県警は11年に書類送検したが、鹿児島地検は「拒否の意思表示をしていない」と不起訴にした。鹿児島検察審査会の2度の議決を受け、指定弁護士が12年、在宅起訴した。〔共同〕
鹿児島地裁、ゴルフ、性犯罪