社債市場が投資家の利回り追求で大きく変化し、債務危機に見舞われた欧州「周辺国」の一部企業は「中心国」の企業より安く資金調達ができるようになっている。
JPモルガン・アセット・マネジメントのデータでは、欧州周辺国の企業が発行した高利回り社債が北欧で発行された同種の社債より低い利回り(高い価格)で取引されていることが分かった。
イタリアやスペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランドの企業が発行する投資不適格社債に投資が向かう地合いの変化は注目すべきだ。
欧州債務危機のさなかにあった2年弱前、こうした企業は欧州中心国の同等の企業より4ポイント高い利回りを支払っていた。
多くの市場関係者は、こうした状況は長続きしないとみている。ただ、これが起こっているという事実は、高利回りを狙いながら新興国市場を警戒するようになった投資家の間で、欧州周辺国の社債に対する旺盛な投資意欲があることを浮き彫りにしている。
■米運用担当者に投資意欲
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの欧州レバレッジファイナンス責任者、チェタン・モディ氏は「ユーロ圏周辺国は最近、新興国市場でのリスクを抑制しようとしている投資家にとって比較的安全な投資先と位置付けられるようになっている」と説明する。
オールド・ミューチュアル・グローバル・インベスターズの債券部門責任者、クリスティーン・ジョンソン氏は「高利回り社債市場はしばらくの間それほど発行がなかったため、買い手であふれている。社債を発行しているのは生き残った優良企業のため、イタリアやスペインの企業であることを気にしなければ、魅力的な利回りが得られる」と話す。
欧州の高利回り社債市場は、欧州債務危機を巡る懸念が後退する中、同地域の企業に対する投資を復活させたいという米運用担当者の願望から恩恵を受けている。
バンクオブアメリカ・メリルリンチによると、先週、欧州の投資適格社債ファンドへの資金流入が5億1700万ドルだったのに対し、欧州の高利回り社債ファンドには9億300万ドルの資金流入があったという。
社債発行の増加は欧州全体の債券の安定に支えられているとムーディーズは指摘する。ユーロ圏周辺国の社債のうち見通しがネガティブ(格下げ方向)のものは、昨年初めの63%から昨年末には22%に低下した。
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