OUT PAUL McCARTNEY THERE ポールが熱望!!奇跡の再来日公演が決定!!新たなる伝説が生まれる。ポール・マッカートニー アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2014

東京2014年5月17日(土)18(日)国立競技場 大阪2014年5月24日(土)ヤンマースタジアム長居

 

ポール・マッカートニー 再来日によせて

「まさかまさかの奇跡の夜」

「マイド、オオサカ、タダイマ!」というポールの言葉で始まった夢の来日公演は、最終日11月21日の東京ドーム、「マタキマス、SEE YOU NEXT TIME !!」という言葉で終わった。
 その夜、ツイッターやフェイスブックは、感動、感動の絶賛の言葉で埋め尽くされながらも、「また来るって言ったよね?!」「グッバイって言わなかったよね?!絶対にまた来る!って言ってくれたよね?」という“まさか”を期待する声で溢れかえった。

 

その“まさか”が、こんなに早く実現するなんて、一体どういうことなのだろうか。昨年の来日が実現するまでは、熱心に交渉を重ねて11年もかかったというのに……。
 あの「SEE YOU NEXT TIME!」は、あの時のポールの率直な心情だったのだと思う。もとより再来日の可能性など気配も無かったし、招聘した側も、すべての関係者も、名残惜しい想いはみな同じ。おそらくはポールもそうだったのだろう。最終日のアンコールで、「フクシマで被災した人々に捧げます」と言って「YESTERDAY」を歌い始めた時、ポールには内緒で主催者が5万人に配っていた赤いサイリウムが一斉に灯されたのを見たポールは、一瞬泣き出しそうになるのを必死でこらえたという。
 

その前回のツアーを、来日前にニューヨークなどアメリカで2回観ていた私は、それにも増してポールがサーヴィス精神を発揮し、日本の聴衆を楽しませようと全身全霊で打ち込む姿に心底感動していた。日本のファンの誠実さとビートルズ、およびポールの音楽に対する理解の深さと確かさを、ポールもまたリスペクトしてくれていたのだと思う。
 そのことは一曲一曲への日本の聴衆の反応となって、言葉を超えてポールには伝わっていた。だからポールと日本の聴衆との間に流れていたぬくもりは、アメリカでの熱狂とは微妙に違って、何とも言えず誠実で暖かいものだった。そう、間違いなく日本のコンサートのほうが、数段良かったのだ。
 ポールの最新アルバム「NEW」が出て、世界最初の公演地だったという幸運も重なって、アルバムからの新曲を含めて最後の「GOLDEN SLUMBER」から「CARRY THAT WEIGHT」「THE END」を3曲として数えると全39曲、およそ2時間45分。その間、一滴の水も飲まず、全曲でギターかベース、キーボードなどの楽器を弾いて、ポールの声は日を追って伸びと色艶を増し、これが71歳を迎えた人とはとても思えない、実に充実したステージだった。
 バンドの完成度も全盛期のウイングスに決して引けを取らないものだったし、何と言っても嬉しいのは新曲が入った分だけ減ったとは言っても、オープニングの「EIGHT DAYS A WEEK」から「PAPERBACK WRITER」「THE LONG AND WINDING ROAD」「AND I LOVE HER」など、1964年のビートルズ登場時から、66年の武道館で演奏された楽曲3曲を含めて、23曲にも及ぶビートルズ・ナンバーが聞けたこと。日本初披露の「Ob-La-Di, Ob-La-Da」の大合唱では、大声で歌いながら涙が溢れて仕方が無かった。
 その思いは、ウイングスからポールを知ったファンにも言えることで、「BAND ON THE RUN」から「LIVE AND LET DIE / 007 死ぬのは奴らだ」にかけての派手な盛り上がりでステージはピークを迎え、その後に歌われた「HEY JUDE」では、「ラーララ、ラララーラー」と歌う男性ファンたちの頬にも、世代を超えて涙、また涙。
 だから全公演を終えてポールが日本を離れた後は、しばらくポール・ロス症候群で苦しんだ人も多かったと聞くが、そんなところに降って湧いたようなポールの再来日のニュースなのだ。
 ポールにまた来て欲しいと願う日本側の熱い思いと、ポールの「マタキマス」という意志が思いもかけず一致したのは、6年後の東京オリンピックを目指して解体される東京国立競技場の最終公演をポールの手でぜひ!というオファーが実ったからだが、ニューヨークのシェイ・スタジアムの最後を飾って(現在は隣接する駐車場跡地にシティ・フィールドが建設されている)、今も「奇跡の夜」と言われているのが、2008年のポール・マッカートニーの公演だった。
国立競技場の最終記念公演が2回と、加えて大阪。ヤンマースタジアム長居での公演と、共に日本ではポールの初の野外コンサートになるわけで、ポールにとってもファンにとっても、おそらくはこれが最初で最後の「奇跡の夜」となることは間違い無いと思う。聞く所によると、ポールはセットリストも演出も変更して、新たなショウを魅せてくれるという。
 今度ばかりはぜひ、お見逃しのないように〜!

 

音楽評論家・作詞家

湯川 れい子

 

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