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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

『更新停止された作者の方へ』

作者:aksys
 携帯電話の電子音が鳴り響く。

(あぁ……まだ、寝たい……)

 自分は目覚まし機能を止め、目頭を中心に手でこすった。

(また、変な夢だった、なぁ……)


 夢。何度も見た。

 時に、神様から普通では有り得ない技能や才能を貰い異世界で冒険者として活躍した。
 時に、勇者としてやはりファンタジーな異世界に召喚され、魔王と戦った。
 時に、ゲーム世界で悪役に転生していた事に気付いて死亡フラグをへし折ろうと奔走した。
 時に、貴族令嬢に転生し何故か戦闘力を備えた意味不明なメイドと共に後宮生活を始め様々な陰謀と戦った。
 時に、トラックで撥ねられ気付いたらやはり異世界転生、魔法や現代知識の大盤振る舞いで天才として上から目線で障害だって力技で木っ端微塵、もしくは説教をしまくった。
 時に、奴隷制度のある世界で取り合えず奴隷を買って同じ食卓を囲み『御主人様、奴隷の私達を対等に扱ってくださる……や、優しい! 優し過ぎる!』と崇めるよう仕向けたりした。


 いつも夢の中で、自分は勇者で魔王でダンジョンマスターで聖女で魔女で王様で貴族で王子で王女で奴隷でエルフでドワーフでゴブリンで天才児でMMORPG廃神でアテクシ系BLゲー主人公でワシカワイイ幼女で……

 様々な立場・人種・性別・年齢になった。

 節操が無さ過ぎる。しかしそんな色々な夢の殆どが心地よい人生。それはそうだ。夢なら心地よい方が良いに決まっているのだから。

 自分の目に朝日が沁みる。寝ていたいが、しかし生活が有る。寝るためには生活を真っ当しなくてはならない。


 自分は電源が付いたままのパソコン画面を見て、少しだけ溜息を付いた。


 生まれては多くが停滞し極少数が終わりを遂げる物語の王国。

『小説家になろう』

 こんなサイトを見ながら寝着けば、そりゃあ変な夢も見るというもの。

 自分は、数ヶ月前に更新が止まったままの物語、その最新話を表示していた。

 当然、【次の話 >>】の表示は無い。

 慎重に、お気に入り登録をし【最新話】が表示されるのを待ち続ける。

 その時間は、とても寂しい。


 物語を書く人へ、自分は伝えたい。

 書いて、楽しくなくなったのなら、無理に書かなくても良いから。
 無理に完結させる義務なんて、自分で課さない以上、ないから。
 作者として読者に対しての責任がどうのとか、そんなのどうでも良いから。

 貴方の世界を好きになった自分としては、出来れば三つ、尋ねたい。

 お元気ですか?
 もう、書かないのですか?
 ちゃんと、生きてますか?



 ぶっちゃけ、なんかキモくてポエミーな文章になっちまいやがったんだぜ?

「物語は完結させなきゃいけない」
「作者としての責任があるのだからウンタラカンタラ」
「読者こそコウシロアーシロ」
「作者と読者は対等だうんぬんかんぬん」

 うん、どーでもえーわ。
 私にとって、更新停止になってても大好きで名作だと信じて止まない作品は有ります。逆もまた然り。

 このエッセイは、初めは
「エタらせる(無期限停止状態)くらいなら異世界物だろうが現代物だろうが全部『夢オチ』にしちまえ! そのための文章用意したる!」
 位にアホな事考えつつ汎用性の高い夢オチ文章を書いてみようと思ったんですけど、途中で止めました。書き始めたこと自体に特に意味は無かったので。

 それよりも、更新停止した作者に、「もう書かない」とか「いつか再開したいなぁ」とかの一言だけでも良い、活動報告でも何でもいいから状況を教えて欲しいな、と思ってしまうファンも居る、可能性があると言いたいと思い途中から路線変更しました。

 作者や作品によって状況も違いますからスゲー歯切れ悪いですけど。

 個人的には未完結は悪い事でもないと思うんです。生活、心情、色々あると思いますからね。まぁ、これに関しては色んな方々が議論交わしてるようなのでスルーして欲しいですけどね。自ら臨まぬ義務感から苦しんで無理矢理書かれても不幸な気がするんで。

 ただ、どうせ更新停止したままなら、それまで関わった方々と無言のお別れよりも一言有った方が作者にとっても心残りが少ない気がするんです。これは御節介であり、独りよがりな思いかもしれませんけどね。

 少なくとも、私は昨年七月から始めて、今も物語を書く事が楽しくて、感想もらえるのが嬉しくて仕方ないです。運よく素敵な読者や作者な方々と巡り会えてるんだと思います。

 でも、もし、今後筆を折ることがあるならば、それまでに付き合ってくれた人達に、読者の方々に一言お礼言わなきゃ、と言うより言わないと自分が余計に辛くなると思うのです。

 そして、更新されない作品、生きてるかも死んでるかも解らない作者さんの名を見てると切なくなるのです。作品書かなくても、元気ならそれで良いんですけどね。

 彼ら、彼女らの世界を好きになった人間としては、ちょっと寂しいのです。

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