2014-03-28
リクナビに象徴されるネット就活に潜む罠、「誰でも平等に入社のチャンスがある」という幻想が悲劇を生んでないか?
就活は勝負どころになりましたね。
就活は11、12月から始まり、ダラダラと長く続くのですが、実質的な選考は3月からの短期決戦。
この数週間で一気に内々定が出だすので、乗り遅れると厳しくなる。ダラダラやってないで、12月ごろにさっさと早く決めればいいのに、と思わないでもないですが。
それはさておき。
先日、Wedgeの4月の就活特集“「就活」が日本をダメにする”で取材を受けました。
ちょっとだけ私のコメントも掲載されていますが、取材の時に記者さんとお話してとても印象的だったことは、
「リクナビのようなネットで就活する悲劇は、学生がさも平等で誰でもチャンスがあると錯覚する」
ということ。
なるほどなあ。
現実は、ネットによる応募も大学名によって落とされたりするようですし、採用で「完全な平等」なんてあるはずないですよね。
日本企業は一度雇用してしまったら解雇は難しいから、より慎重な上にも慎重になるのが当然でしょう。
その一方、先ほど述べたように、現実の就活では短期決戦で決まってしまう。
ですから、面接以外にも、大学名である程度の足切りをしたり、信用できる人からの推薦(コネともいう)がある人を優先したりするのも仕方ないでしょう。
翻って昔の就活を振り返ると、知り合いからの紹介、理系だったら所属する研究室の教授や学科からの推薦がありました。
推薦というと「コネ入社で悪いこと」というイメージがあるかもしれませんが、推薦する側からすると「いい加減な人を推薦して入社すると、次の代からは信用してもらえないから、良い人じゃないと推薦できない」という、ある種の選別ができていた。
推薦のようなプロセスで採用が行われると、学生にとっても、同期の友人と比べて、「自分の実力だったらこれくらいの企業かな」と冷静に判断することもできた気がします。
それが、ネットを使った就活では、あたかも誰にもチャンスがあるように錯覚するのではないか、というWedgeの記者さんの意見には、衝撃を受けるとともに、納得してしまいました。
傍で見ていると到底無理だろうな、と思う目標を目指して案の定、落とされるよりも、できるだけ早く自分の実力を知った方が良い。
「コネ」と言うと悪いイメージがありますが、採用は人が人を採用するのだから、レファレンス(推薦者)の意見を求めるのは、当たり前のことです。
企業が信用する人から推薦状さえ書いてもらえなくて、実力があるとは言えないでしょう。
こうしたネット就活による「平等なチャンスと言う幻想」を抱いてしまった学生は、今頃から4月にかけて、面接に立て続けに落ちて、現実を知ることになります。
もう少し早く自分の力をわかっていたら、と思うことが多いのです。
余談ですが、私の就活。
私が就職をしたのは、今から21年前。東大の物理工学専攻を修士で修了したのですが、学科から同じ会社に行けるのは、どんなに相手の企業がたくさん採用したくても、1社2名までと決まっていました。
しかも、希望者が多い場合の決め方は、じゃんけん。
当時はこれほど理不尽な就活はないと思いましたが、東大の物理工学専攻は、「どの学生も優秀だから、どの企業に行っても活躍できるだろう。運も実力のうち。それに、同じ会社に優秀な同期が多いのは昇進を考えたら損をする。」と考えていたのでしょうね。
それはそれで面白いやり方でした。
ちなみに、当時の学科の研究室の決め方も、じゃんけん、でしたね。
じゃんけんで決まる人生も、悪くないかもとこの年になると思いますがね。
- 159 http://t.co/SBVgrIX5Rk
- 91 http://t.co/JIQX1QHnPi
- 8 http://t.co/XYVAf5Xz7e
- 7 http://reader.livedoor.com/reader/
- 7 https://www.google.co.jp/
- 6 http://feedly.com/index.html
- 5 http://t.co/rDBaN1Gnla
- 4 http://api.twitter.com/1/statuses/show/449308264665075712.json
- 4 http://feedly.com/
- 4 http://t.co/pT8FXg899p
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 |