2014-03-28
人を増やしても人件費を増やせないなら労働環境は良くならない
居酒屋大手のワタミは27日、店舗での労働環境改善のため、2014年度中に運営する約640店舗の約1割にあたる60店舗を閉鎖する、と発表した。
ワタミ、居酒屋の1割閉店…離職率の高さ改善へ : ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
足りないのは店舗に所属している人間の頭数ではなくて、現実に勤務させられる人間の頭数だから。
結論から言うと、労働環境が悪いのは予算の問題があるからで、なんで勤務させられる人間の頭数に縛りがあるかと言うと、日当たり・月当たりの人件費に上限があるから。
どんな店舗にも予算で目標売上が設定され、目標の利益額があり、その利益額を叩き出すために費用が算出されている。その予算の枠内で費用が収まるように人件費も設定され、そのために出勤させられる人間の数には限度がある。
これは業績が悪い店舗ほどきつくて、売上が上がらない店舗は売上を上げなくてはならないが、売上が上がらない以上は人件費を削ることで利益を出す他なく、人件費を削ると労働環境が悪くなる。そうなると新たな売上を上げる状態ではなくなり、そうなると人件費を……という負のスパイラルが発生する。
今回の「労働環境改善の為の閉店」は、単に「不採算店舗の整理」でしかなく、リストラ。負のスパイラルに陥った店舗をなくすことで、さらなる労働環境の悪化を招くことが予想される店舗は減るが、人を移したところで、移籍先の労働環境が良くなるかと言うと、結局は移籍先の予算縛りがあるので実態は変わらない。
せいぜい「人が増えることでシフトが組みやすくなる店舗が増えるかな?」というメリットがあるくらいで、移籍先の予算がきつければ、一人当たりの労働時間を平均化させる=労働時間が減るという結果になり、強制ワークシェアリングになれば稼ぎが減る人も出てくる、そしてそれが新たな不満にもなりうる。
3月、4月の歓送迎会などのシーズンを終えると、居酒屋業界的にはあまりおいしくない状態になるので、シフトを厚くするよりは、如何にシフトを薄く、人を削るかで店長は悩む。そういう状況の中、業績の良い方の店舗に人を集中させることが労働環境改善につながるか、率直に言って疑問。
結果の出ないプロジェクトを解散して、結果が出ているプロジェクトに人を移す。
これがうまくいくかどうかは、移した人間をフルに働かせられる環境があるかどうかなんだよね。人を移しても、フルに働かせられないなら、それはワークシェアリング止まり。予算における人件費枠の改善こそが本質なんだけどね。
本日はこのへんで。
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- 2014-03-27 アドリーナは海の底で。 4/19 21%