WALKMAN F880シリーズの特性とか

ハイレゾウォークマン NW-F880シリーズ(容量違いF885、F886、F887のうちF886)の特性など

twitterで書いたのをざっとまとめておきます。


まずはRMAAの測定結果から。
使用インターフェイスはRME FirefaceUCのライン入力1,2です。

■ヘッドホン出力 ボリューム最大より3つ下 ノンクリップ最大 無負荷にて
WALKMAN F880 Headphone

■ドック(WM-PORT)出力
WALKMAN F880 dock


ヘッドホン端子にオーディオテクニカのATH-IM50を接続してチェック。
iPodではボリューム最大でもほぼ聞こえなかったサーという残留ノイズが、WALKMANではボリューム最小でも聴こえる。無音時に「サープツ、サープツ」と繰り返すのも聴こえる。ボリューム操作時に「ヴヴヴ」というデジタルノイズが聴こえるときがある。なんだかなー。


最大出力、無負荷時の特性をFFTでチェック。
ハイレゾWALKMANは最大出力が劣ってるし、歪も多い感じ。
walkman_THD.png
iPodの場合はボリューム最大でも0dBFSの信号が問題なく出力できるが、WALKMANの場合は歪のない信号が出力できるのはボリューム最大からボタン3回下げた位置まで。


最大ボリュームで歪が増加したときの波形。単純なクリップじゃなくてデジタルアンプの独特な波形な感じ。
walkman_waveform.png



無負荷の最大レベルが560mVでTHD+N可聴域で0.7%(クリップ)、ボリューム3つ下げて340mVで0.006%。出力インピー
ダンスは大体3.5Ωくらいぽい。負荷重い時も、歪の増加は心配するほどはなさそう。

最大音量でのクリップだけど、例えばSuara the bestをMDR-CD900STで再生した場合、時には最大音量まで上げて鳴らしたい思う感じだった。でもこの時は確実に出力飽和が始まっている。聴いて問題になるかはわからないが、歪んでいる。
iPodだったら、WALKMANで歪んでいる最大音量より、さらに6dBくらい音量をあげられて、しかも歪まない。


出力を下げた時のFFT波形(300mV時 無負荷)
walkman_THD_300mV.png

高調波は問題ないんだけど、可聴域のノイズがちょっと気になる。
デジタルアンプの設計に由来するノイズだと思うんだけど、20kHzまでの設計ならこれでいいけど、ハイレゾで192kHzサンプリングまで対応するなら、もう少しこの帯域を綺麗にしてほしかったなあ。


周波数特性
walkmanf880_hpoutfreq.png
これもデジタルアンプのフィルタに由来するものだと思うけど、負荷の重さによって高域の特性が変わっている。


残留ノイズ
walkman残留ノイズ
iPodの最大出力は1Vrms、WALKMANはノンクリップ最大で300mVなのに、ノイズレベルはWALKMANのほうが高い。そりゃあサーノイズが聴こえるわけだ。


上記をふまえて、pao信号がどれだけ上手に描けるかのチェック
walkmanはちゅね
ハイレゾウォークマンと、非ハイレゾのiPod、どっちがハイレゾなのか考えさせられる結果に。



続いてドック出力(WM-PORT)にFiiO L5ドックケーブルを使用してアナログ信号出力のチェック。
信号出力は0dBFSで250mVと、かなり小さめである。


周波数特性
サンプリング周波数192kHzのWAVファイルを使用
walkmanf880dockfreq.png

なぜか、ハイレゾの恩恵である20kHz以上の信号が出ていない。


同じく192kHzのWAVにホワイトノイズを入れて遮断周波数近辺を観測
walkmanf880_dock_white.png

これを見るからに、ドック出力はサンプリング周波数44.1kHzでリサンプリングされているんではないかという疑惑が。
これでは、ドックからアナログ接続でポータブルアンプ等に接続してもハイレゾの恩恵が得られないではないか。

ヘッドホン端子はいまいちだし、ドック出力がこれじゃハイレゾの意味ねーじゃん。iPodのほうが全然よくね?

ということでアナログドック出力に関してはニセレゾウォークマン認定です。ちなみにZX1も一緒らしいです。


周波数帯域について問題があったので、念のためビット深度についてもハイレゾであるかどうかをチェックします。
16bitでは出力できない-110dBFSの信号を入力し、出力されるかを確認します。

walkman-110dbfs2.png

かなりノイズに埋もれつつあるものの、一応ハイレゾの信号が出力されていることが確認できました。

しかし、同じ信号をiPodから出してみると…


ipod-110dbfs.png

こっちのほうが全然キレイな信号じゃんwwwwwwwww

というわけで、ハイレゾを謳っていないiPodも、実は24bitの出力に対応していたというオチでした。



それにしても、ドック出力でハイレゾの信号に見合った周波数帯域が確保できていない件は明らかな問題に思えるのですが…。アナログ出力でポータブルアンプに接続する使用法だって高級ケーブルが発売されていたりとかなり実例があるんだから、何らかの事情でアナログ出力が制限を受けるのなら注意書きしておかないとマズいっしょ。

こういう基本事項がチェックされることもなく開発、製造、出荷されてる時点で、製品として信用がないよね。
そもそもこのウォークマンに関しては、SONYのサイトにも電気的特性についての仕様が全然書かれていません。もはやオーディオ機器ではないのかもしれません。


ニセレゾ音源買って、ニセレゾプレーヤーで再生して、ポタアンまでつけて聴いたところで、そんなのハイレゾでも何でもないってことがわかりました。


ウォークマン、同価格帯のiPodに完敗してどーするよ。


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No title

そういう機能があるという以上の意味のないドック出力ですな

No title

コメントありがとうございます。

ちゃんとまとめてなくてすみません。
多分44.1kHzでリサンプリングされています。
意味わからないですね、これは。

No title

F880+PHA-2よりもZX1単体の方がいいみたいですね

No title

そうなんですか?

PHA-2だとデジタル接続になるので、PHA-2の性能が支配的になるはずです。
確かにF880よりZX1のほうが店頭で聴いてなんとなく良いような印象はありましたが…。

iPodはとても素晴らしい電気的特性をしているので、ハイレゾのウォークマンはこれに対抗しているだろうと期待していたのですが、これではちょっと。

F880はボリューム操作してるときにヴヴヴってデジタルノイズが聞こえたり、無音時にサープツ、サープツっていったり、音量大きいときに歪っぽいというか荒っぽい感じしますし。

ZX1買っておけばよかったのか、それとも他社のにしとくのが良かったのか。

No title

興味深い結果なので、
このブログのURLをソニーに提示して確認してみたいと思います。
実際にこの結果が間違いないのであるならば、
誇大広告および購入したユーザーへの裏切りでもありますから。

No title

そうですね。ドックの出力の帯域が狭い件はちょっと問題だと思いますが、それ以外は単純にソニーの技術力がAppleに満たなかったってことなのではないでしょうか。
あとは、ハイレゾって何? ってのが正直な感想です。

もし何か回答がありましたらお知らせいただけると有り難いです。

No title

そういえば、記事中では省略していますがiPodの特性、以前測ったのがここにあります
http://fixerhpa.web.fc2.com/rmaa_ipod_touch_5g/iPod_touch_5th_gen_rmaa.htm

No title

ウォークマンのノイズはおそらくノイズキャンセリング回路の弊害だと思います
相性の悪いSHUREのイヤホンだと本当にひどいです
5極端子の付属イヤホンならある程度軽減されると思います

No title

ホワイトノイズだけでiPodの方がいいという辺り、酷いな

No title

こんにちは

ノイズキャンセリングについては、確かにノイズを拾うマイクのアンプが生きたままになっていると、残留ノイズが増える可能性はありますね。ヘッドホン設定の項目でその他を選んでいるのですが、それではノイズキャンセリングの機能を切ることはできないのでしょうか。
それはそれで、問題のような気がするのですが…。

No title

コメントありがとうございます。

ホワイトノイズの件というか、測定するに至ったのは音が悪かったからです。

歪っぽくて荒々しくてセンターよりのダンゴみたいな音で、こんな音のどこが良いんですか?

センター定位の、特にキックの音なんかがピシッっと来ないのが聴いてて心地悪いです。

No title

低域の芯がないのは逆相クロストークの可能性があるのでざっと測ってみた。

32Ω負荷のときにF880は可聴帯全域で43dB、iPodは55dBくらいだった。

負荷かけると悪化するのはGNDの共通インピーダンスによる逆相のクロストークだから極力減らしたいもので、経験上、低域で40dB台というのは知覚できる範囲なので問題。
これにおいてはiPodにおいてももう少し確保したいくらい。

WALKMANではクリアステレオという機能が、このクロストークを低減する機能なんだけど、ヘッドホンのコードで起こるクロストークを低減させるのはこの機能に任せて良いとしても、コネクタの嵌合や基板の配線等で起こるクロストークは本来回路設計で最大限回避すべきもの。

ちょっと設計甘いんじゃないかな。


そもそも、こんないい加減な出力端子つけるくらいなら、アナログ系の端子なんか撤廃して、デジタル接続のポタアン、PHA-2専用のトランスポート()として発売すればよかったんじゃないの?

半端な性能のヘッドホン端子を搭載することで、ウォークマン自体の品質を疑わせてしまったら意味がないと思う。

No title

波形や信号だけで音質決められたら苦労しないし、
最大音量3つ前で聴いてたら難聴になる
比較条件も同じじゃないと意味が無い
特に周波数は14倍も違う

No title

コメントどうも。

あっちに書きたくないので、ここに質問書いてくれると助かるっす。


波形と信号で音質は決められないかもしれないけれど、最低限の波形と信号が確保できていないと聴感上で問題が出ます。

最大音量3つ前の件は、WALKMANで最良の測定値が得られるポイントなので、音量を下げると測定結果は悪化する傾向にありますよ。
それに、カナル型イヤホンと音圧の高いソースなら音量を上げる必要がないかもしれませんが、ヘッドホンと音圧の低いソースなら、むしろ最大音量でも不足するケースは在り得ます。

pao信号のオシロ画面に表示されている周波数は、WALKMANのノイズに反応してか、同一の値が表示されませんが、再生しているのは同一のMP3ソースです。
フォーカスは、数値にあってますから、ズレていないことがわかるかと。


そんな感じでよろしくです。

No title

最低限の信号と波形については、明らかに波形が悪ければ聴いても悪いということで。

音量の件は具体例が記事中にあるので読んでください。

最大より3つ下は最良値が測定できるポイントなので、もっと音量を下げた状態で測っても、もっと悪い値が出るだけですよ。

オシロは、同じファイルを再生し、プラグを差し替えて撮影しているだけなので条件は同一です。
周波数表示については、あのリサージュ波形を描くのにどのような信号が印加されているか考えてみてください。
あのような汚い絵しか描けないような信号では、周波数カウンタの値も異なっておかしくありません。
フォーカスがずれている? 表示されている数字は読めていますよね。

自分で測ればすぐわかることなんだから、やってみてくださいよ。
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