二度寝にメリットはあるか

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  • HEIDI MITCHELL

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 目覚まし時計のアラーム音のお世話になっている人は多い。その目覚ましを元気よく切り、ネコのようにストレッチして朝をスタートする人もいれば、アラーム音を繰り返すスヌーズ機能ボタンをたたいてさらに10分寝る人もいる。だが、この追加の数分は役に立つのだろうか。ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院の睡眠・時間生物学研究所のデービッド・ディンゲス所長に聞いた。

効率的な睡眠

 大半の専門家は、大人が1晩に目を閉じている時間は7、8時間が最適だとの見解で一致している。米労働省の時間利用年次調査(ATUS)に基づく2007年の論文でディンゲス氏は、米国人の32.6%は就寝時刻が遅いことから睡眠時間が7.5時間未満で、起きるのは目覚まし時計に頼っていることが分かったと指摘した。意外なことに、そうした人たちはぼうっとしているわけではなく、睡眠の効率が上がっていた。

 ディンゲス氏は「健康な人であれば、睡眠が奪われているときは眠りに落ちるまでの時間が短くなる」と話す。「動きが減り、目覚めるのが難しくなり、眠りが深くなる」という。体はいずれ自らをリセットして通常の睡眠パターンの健康な状態を取り戻す。ディンゲス氏は「これは全く問題ない。ただ、数日ごとに長めの睡眠で回復する時間があるときしか通用せず、大半の人にはその時間がない」と言う。

二度寝の効用

 ディンゲス氏によれば、眠りが深く、睡眠時間を奪われている人は、目覚まし時計を使って不自然に睡眠を終わらせる。自分で自然に目が覚めたほうが気持ちいいが、2003〜12年に米国人13万6000人を対象としたATUSのデータによれば、そうしている人はごく少数だ。

 二度寝しても睡眠は増えず、目覚めるまでの時間が長くなるだけだとディンゲス氏は語る。二度寝は「至福の夢のような感じがする。目覚めに近づくほど素早い目の動きや夢が増えるためだ」という。ただ、「二度寝は大して悪いことではない。それで得た追加の10分のおかげで、気持ちがたたき起こされず、そっと起こされる場合もある」

年齢による変化

 複数の研究によれば、人は年を重ねると必要な睡眠時間が減り、起きて意識がはっきりするまでの時間が短くなるとディンゲス氏は話す。つまり、二度寝がやめられない人でも、年を取るにつれ自然な睡眠パターンに戻ることが期待できる。ディンゲス氏は、自身が「20代の頃は目覚まし時計が1つでは足りなかったうえに二度寝をしていたが、60代半ばになった今はそれほど多く眠る必要がない」と話す。スヌーズボタンを使うことはほとんどなくなったという。

就寝時刻

 ディンゲス氏によれば、全般に就寝時刻が少し早まり、目覚まし時計を全く使わないのが理想だ。テレビ局がプライムタイムの番組を早めの時間帯に移してくらたらいいと願う。自身の患者には、テレビを見ながらソファでうたた寝するときではなく、疲れたときに就寝するように勧めている。「われわれの研究では、睡眠の制限が体重増加につながった」という。「別の研究では、睡眠時間の減少と糖尿病や心疾患の罹患(りかん)率の関係が示されている」

 二度寝して睡眠時間が増えたと脳に思わせることは一時しのぎにはなるが、長期的には役立たない。ディンゲス氏は「そうやって目覚まし時計と戯れるより、本当の睡眠をあと10〜20分とったほうがいい」と言う。

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