貴乃花親方(右)の指導で、土俵入りの稽古をする新横綱鶴竜=大阪市西成区の井筒部屋宿舎で(代表撮影)
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大相撲の第71代横綱に昇進した鶴竜(28)=井筒=の「綱打ち」が27日、大阪市西成区の井筒部屋宿舎で行われ、所属する時津風一門から関取衆や若い衆ら約30人が集結し、約2時間かけて長さ4メートル、重さ6・2キロの真新しい綱を作った。完成した綱を締めた鶴竜は28日の明治神宮奉納土俵入りに備えて、雲竜型の土俵入りを稽古。一門の枠を超えて指導した貴乃花親方(元横綱)から、のみ込みの早さを絶賛された。
ちょっぴり硬い表情を見せながらも、土俵入りはみるみるうちに上達した。鶴竜が、できたてほやほやの綱と北の湖理事長(元横綱)が昨年6月の還暦土俵入りで使用した化粧まわしを締める。さらに“先生”は「平成の大横綱」なのだから、緊張も無理はない。それでも、前夜に動画投稿サイト「ユーチューブ」で土俵入りを予習していたこともあり、ミスは数えるほど。貴乃花親方による指導はわずか22分で終わった。
「綱をつける実感がわいてきた。(土俵入りは)ちょっと間違えちゃいました。見ていたより難しいな、と。見るのとやるのでは違うから、ちょっと緊張した」
新横綱の上達ぶりに貴乃花親方も絶賛した。「のみ込みはいいですよ。さすがですね」。せり上がりで足を閉じたり開いたりする動きに「ゆっくり大きく」、土俵の仕切り線に行く時は「リズムは1、2、3で」と丁寧かつ的確なアドバイスも効いたのだろう。貴乃花親方は「久しぶりに思い出しながら、やった。ヨイショの掛け声に匹敵するような土俵入りをしてほしい」とエールを送った。
平成の大横綱からの褒め言葉に「ありがたい。明日は間違えないようにしっかりやりたい」と鶴竜。太刀持ちは勢、露払いは鏡桜が務めることになった。元横綱朝青龍が2010年2月に引退して以来の雲竜型土俵入り。鶴竜が初めて披露する時が来た。 (永井響太)
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