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「金」いける!真央、SP首位で世界最高の笑顔/フィギュア

サンケイスポーツ 3月28日(金)7時0分配信

 世界選手権第2日(27日、さいたまスーパーアリーナ)女子ショートプログラム(SP)を行い、日本選手初となる3度目の優勝を狙う浅田真央(23)=中京大=は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決める完ぺきな演技で、世界歴代最高の78・66点をマーク。進退が注目される中、金妍児(キム・ヨナ、23)=韓国=が2010年バンクーバー五輪で出した記録を0・16点更新して首位に立った。世界選手権のSPで浅田が首位に立つのは8度目の出場で初めて。29日のフリーで、ソチ五輪6位の悔しさを晴らす金メダルを手に入れる。

 この瞬間を誰もが待っていた。演技途中から真央に自然と笑みがこぼれる。最後のレイバックスピンに入ると、拍手の大きさが高まっていく。1万7000人を超える観客が思わず立ち上がってしまう会心の舞い。濃密な167秒間を体現し、右手を天へ差し伸べた。

 「100点! この演技ができて最高。無心になれた」

 6分間練習でトリプルアクセルを決め、自信を持ってリンクへ飛びだした。ショパン作曲の『ノクターン』が優しいピアノの旋律を奏でる。冒頭に伝家の宝刀をズバッと抜いた。GOE(出来栄え点)で1・86点の加点を引き出した。続く3回転フリップ、後半の3回転−2回転の連続ループも成功。スピン、ステップも最高評価のレベル4を獲得し、宿敵の金妍児がバンクーバー五輪でマークした78・50点を上回る世界歴代最高をたたき出し、5年ぶりに自己記録を塗り替えた。

 1カ月前とはまるで別人だった。2月19日のソチ五輪SPでは3つの3回転ジャンプをことごとく失敗し、55・51点の16位。05年11月にシニアの国際大会に初めて出て以降、4番目に低い得点で、SPの順位が2桁になったのも初という屈辱を味わった。

 その悔しさが糧となった。現役女子で唯一の3回転半ジャンプを組み込んだ上で、4年ぶりにワールドレコードを更新したことに、意地と誇りが込められた。

 「今まで試合で滑ってきた中で、ベスト3に入る。フリーもソチのような演技をして、やりきったと思いたい」

 現役続行か、それとも引退か。今後に注目が集まる中、「支えてくれた方にも自分のためにも、いい演技をと思った」と微妙な発言もあり、29日のフリーは“ラストダンス”の可能性を秘める。ソチのフリーではアクセル、フリップ、ループ、ルッツ、トーループ、サルコー、全6種類のジャンプを駆使し計8度、3回転を跳んだ。すべては認定されず、惜しくも五輪で女子初となる偉業達成はならなかったが、自己ベストを更新する142・71点。異例の10人抜きで6位に順位を上げ、世界中を感動の渦に巻き込んだ。記録を刻んだ銀盤のヒロインが、記憶にも残る舞いを披露し、永遠に語り継がれる伝説を作る。

最終更新:3月28日(金)8時25分

サンケイスポーツ

 

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