佐藤:ヤンマーは、昨年2013年、創業100周年を迎えたんです。それを契機に、次の100年を考えて、一段上のステージに上がりたい。でも、一段上のステージに上がるには、まず、どこから手を付けたらいいだろう……、そこでヤンマーの方から相談を受けたんです。
川島:次の100年を見越したイメージを可士和さんにつくってほしい、ということですね。ブランドの再構築という大仕事じゃないですか。
業績が悪いわけじゃないんです
佐藤:ヤンマーさん、別に業績が悪いわけじゃないんですよ。企業としては国内外でずっと安定的な成長を続けているし高い技術力を誇っています。ただ、これまで「ヤンマー」というブランドを育てていくという視点での企業活動は基本的にやってきていなかったこともあり、次の100年に向けて、社内に対して、また市場に対してヤンマーはこっちの方向へ向かうんだ、というビジョンを提示していきたい、と思われたそうです。川島さん、ヤンマーって聞いて、何思い出します?
川島:えーと「ヤン坊マー坊」の天気予報。あとは、そうだな、農作業の機械? トラクターとか……。
佐藤:そうですよね? 僕もそうでした。しかし次のステージに上がるためには、はっきりいうとグローバル市場でブランディングをしていくには、ヤン坊マー坊、農作業機械、というイメージだけではきつい。実際、ヤン坊マー坊だけじゃない、世界最高レベルのボートのエンジンを開発する力も持っていてそろそろブランディングに着手しなければいけないと、他ならぬヤンマー自身がそう考えた。そこで外部のクリエイターの知恵を借りよう、と社長自らが決断し、僕にお声をかけてくださったんです。
川島:可士和さんに依頼してきたというのを聞いた時、けっこうびっくりしました。今までのヤンマーは、デザインにこだわっている印象があまりなかったので。きっと社長が明快な意図をお持ちなのでしょうね。どんなタイプの社長なのですか?