このグラフで、山形はセシウム137の沈着量は少ないのに、グロスアルファやグロスベータが多いことに気づく。宮城県はグロスアルファやグロスベータが山形と並ぶほど多く、かつセシウムも多い。茨城と宮城は似ている。栃木は、茨城に似ているがグロスアルファとグロスベータが突出している箇所があり、群馬から右は核種構成の傾向は同じだが、各核種の水準が少し低い。
次の地図は、上のサンプル採取箇所を含めたグロスアルファとグロスベータが相対的に多い地点。
ここで山形がいつ汚染されたか考えると、3/16よりも3/20のプルームが日本海側まで達していることから、3/20のプルームがもたらした汚染であろうと推定できる。
一方、宮城県はよく分からない。もともと県が空間線量率の測定を止めてしまったし、民間で継続的に測定したデータが利用可能となっているわけでもない。
唯一利用できるのは、東北大学金属材料研究所 アルファ放射体実験室のサイト、実績のページに掲載されているものだけだ。次の図は、それを拝借している。
これで見ると、3/12から3/13にかけてと3/13の夜にプルームが上空を通過したとされている。
3/12、23時のプルームの推定図。あまり内陸に入っていないが、プルームが来ている。
3/13の夜には、次のとおり、気象研究所のシミュレーションではプルームが来ているようには見えない。
空間線量率上昇の3回目は、3/15の夕刻から夜にかけて生じたと見られるが、このときは、気象研究所のシミュレーションではプルームは南に流れている。
上の仙台の空間線量率グラフでは、プルームが襲来していないのに、降雨だけで空間線量率が0.4μSv/hほど上昇し、かつ湿式沈着が生じてその後の線量率が高止まりしている。
これは何を意味するだろう。2度にわたるプルームの襲来後、仙台の上空には大量の放射性物質が滞留し続け、それが降雨により一挙に降下沈着したと見るしかない。
宮城県では、眼病の多発、宮城県職員の疲労感の訴えなどが伝えられ、仙台空港で救援業務に従事していた米軍人の深刻な被曝症状の発現など、大気中を漂う放射性物質が多く、吸気被曝も大きかったと疑わせる情報もある。
そして、人口動態もこのところ悪化を見せている。
クリス・バスビー博士の警告に即して考えれば、もし仙台市や宮城県内の住民の吸気による内部被曝が大きかったとすれば、この先の健康被害の深刻化が強く懸念される。冒頭に書いた、グロスアルファやグロスベータが多い地点があることも考慮すれば、将来的には大変憂慮されるところだ。
結核の集団感染もありましたね。東京では宮城の情報は少ないです。岩手南部にお住まいだった方の症例などから、アルファ、ベータ線源の影響に警戒が必要ではないかと思っています。
現地の状況をまた教えてください。