渡辺みんなの党代表:「使い道は会議費…」選挙資金を否定
毎日新聞 2014年03月27日 21時49分(最終更新 03月28日 00時09分)
みんなの党の渡辺喜美代表は27日、化粧品会社会長から選挙前に計8億円を借りたとされる問題で、記者団の取材に初めて応じた。全額の借り入れを認めたうえで「使い道は会議費、交際費、旅費などもろもろ」と述べ、選挙資金だったことを否定した。借入残高より過少な資産報告を訂正することを明らかにした。
化粧品会社ディーエイチシー(DHC、東京都港区)の吉田嘉明会長(73)は同日、毎日新聞の取材に、渡辺氏から借金の申し出があり、2010年参院選前に3億円、12年衆院選前に5億円を渡辺氏個人の銀行口座に振り込んだと説明。「選挙以外に使い道はあり得ない」と強調し、両者の主張は食い違う。
◇
渡辺氏は国会内で報道陣に囲まれ、問答は約45分間続いた。
「借り入れは純粋に個人的なもの」「私個人へのご支援で個人口座に振り込んでいただいた」。渡辺氏は笑みを浮かべながら、問答の最中に少なくとも14回「個人」という言葉を使って弁明。「吉田会長はうそをついているのか」という質問に一瞬詰まり、「うそとは申しませんが(吉田氏には)誤解がある気がする」と釈明した。
借入残高が約5億5000万円なのに、12年12月の資産報告で借入金を2億5000万円と記載したことについて、渡辺氏は「事務的なミス」とした。しかし、資産報告の誤りに罰則はない。
選挙資金であることを否定し、資産報告の訂正で済ませようとした猪瀬直樹・前東京都知事と同じでは−−。そう質問されると、語気を強め「ゲンナマ(現金)でドカンともらったわけではない」。記録に残る口座振り込みだった点や、知事と違って職務権限のない野党党首−−という身分を強調した。
渡辺氏の釈明に、DHCの吉田氏は「逃げようとしている」と半ばあきれ、こう言った。「(私については)『誤解』としか言いようがないのだろう。謝罪して、一からやり直してほしい」【青島顕、一條優太】