袴田事件:法務・検察に動揺「衝撃、非常に厳しい」

毎日新聞 2014年03月27日 14時57分(最終更新 03月27日 18時37分)

袴田巌死刑囚の再審開始決定を受け、静岡地検が入るビルの前で「検察官は袴田さんに謝罪しろ」と訴える支援者ら=静岡市葵区で2014年3月27日午前10時52分、丸山博撮影
袴田巌死刑囚の再審開始決定を受け、静岡地検が入るビルの前で「検察官は袴田さんに謝罪しろ」と訴える支援者ら=静岡市葵区で2014年3月27日午前10時52分、丸山博撮影

 静岡市(旧静岡県清水市)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した元プロボクサー、袴田巌死刑囚(78)側の第2次再審請求で、静岡地裁(村山浩昭裁判長)が27日出した決定は再審開始と、死刑と拘置の執行停止だった。この静岡地裁の決定に、法務・検察幹部には動揺が広がった。幹部の一人は「再審請求審の段階から『大丈夫なのか』との声も検察内部ではあった」と明かす。東京電力女性社員殺害事件の再審無罪などを踏まえ「鑑定(技術)が進み、裁判所の再審のハードルが低くなっていると感じる」と話した。また、「証拠の捏造(ねつぞう)の疑い」とまで言及されたことについて、ある幹部は「衝撃だ。検察にとって非常に厳しい決定内容だ」と戸惑いを隠さなかった。

 また別の幹部は「かなり厳しい決定内容に驚いている。死刑だけでなく、拘置の停止まで命じた決定はあまり聞いたことがない。法務・検察としては、死刑囚の身柄の問題にも対応しなければならず、慎重かつ早急な判断が必要となる」と話した。【島田信幸、近松仁太郎】

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