海運文化はまだ記憶に残っているほうだと思う。
忘れ去られてしまっているのは、河川を使った水運の文化だ。
私の実家は過疎が進む内陸の片田舎。
今は限界集落になりそうな土地であるが、かつてこの地は内陸の玄関口だった。
今では水量が減ってしまった川は、かつては帆掛け舟が上がってくる大きな川で、物資はここからさらに内陸に運ばれていた。
上流からは丸太が流れてきていた。
そんなにたいそう昔の話ではなく、昭和初期くらいまでの話です。
かつての街道は一桁国道に置き換わり、昔の栄華を引き継いでいったが、水運によって成り立っていた地域の歴史はほぼ完全に忘れ去られている。
豊かだった水は農業用水となり、すっかり一次産業の町に変わった。
今、日本の田舎というと田んぼと畑しか無い。
でも昔は、林業の街や、港町が多数あった。
そのことを、今の小学生に伝えたい。
