「重量を挙げたい。高重量にこだわりたいと思っています」
そう語るのは、ウェディング会社を率いる杉尾敦弘さん。トレーニングは昔から続けてきたが、現在は高重量を挙げた時の達成感にこだわって大胸筋や上腕二頭筋など、上半身を中心にトレーニングを行っているという。日本人離れした厚い胸と背中は、まるでヘラクレスのよう。なじみのテーラーで誂えたジャケットを颯爽と着こなし、杉尾さんは日々仕事と格闘する。
プロデューサーとして『ロングバケーション』『お見合い結婚』『ウェディングプランナー』『Dr.コトー診療所』など、大ヒットドラマを数多く手がけてきた。現在はフジテレビの社内ベンチャーでウェディングビジネスを企画・立案し、代表として忙しい毎日を送る。その合間に週2回、朝にトレーニングをしてから出社するのが日課だ。
数々のドラマをプロデュースしたあと、ドラマの現場を離れて管理職の立場になった。
「とにかく現場が懐かしく思えて……。傍らから番組を批評するより、やはり現場のほうが楽しかったんです。スタッフたち、演者さんたちと一緒に笑って涙する。それをまたしたくて、新しい現場の仕事を考えました」
現在の仕事はウェディングビジネス。社長業とはいえ、式にも立ち会う。いわゆる“現場”。
エモーショナルな場面を肌で感じている。
「昔はそれほどでもなかったんですが、いつのまにか現場が大好きになってたんですね。今はウェディングの現場で涙や笑い、感動のあるシーンを創造していきたいと考えています」
土日は必ず式の立ち会い。平日の夜はほとんど接待と会食。酒も入る。ゆえに、トレーニングをするのは朝に限られる。
「脂っこいものや炭水化物の摂り過ぎにはなるべく注意していますが、とにかくカロリーを摂り過ぎてしまうので、基礎代謝を上げて燃費の悪い体を作るべく、朝、集中して厳しいトレーニングをしています」
大学時代は体育会アメリカンフットボール部に所属。ラインバッカーというディフェンスの要のポジションで、対峙する敵プレイヤーにタックルしていた。
「学生の頃は、ただ漫然とウエトレをしてました。でも今は、トレーニングの質を考えています。自分にとって、一番効果的なレップ数やセット数、インターバル時間。プロテインを飲むタイミングや、回復のためのストレッチ、ケア法など。とにかく疲れを残さない。そこに気をつければ、トレーニングは仕事のパフォーマンスを確実に上げてくれます。それとトレーニングを続けていて良かったのは、たまに後輩のアメフトの試合を見に行った時、かつてのライバルたちと再会するんですが、多くが見る影もないあられもない姿になっているんですね。心の中で勝ったなと、ほくそ笑んでいます(笑)」
テレビのプロデューサー時代は「人を楽しませること、人を泣かせること」ばかりを1日中ずっと考えながら仕事をしてきた。そのノウハウを現在の現場にも生かし、会社を経営する。
「トレーニングはやったらやった分だけ、結果が自分に返ってきますよね。今の会社はまだまだ小さいですが、小さいからこそ、やったらやった分だけ目に見える成果がついてくる。ウェディングの現場にドラマのノウハウをつぎ込んで、今までにないワン&オンリーの感動を創りたい。アメフトでいえばフィールド内、つまりサイドラインの内側で、常にプレイしたいと思います。プレイヤーとして一喜一憂し続けたいですね」
毎朝、起床したらアルカリイオン水を2L飲む。デトックスを促し血をサラサラに保つため。
朝、高重量トレーニングをするので、すぐに回復させるために飲む。夜までの仕事に支障がないように。