プロ野球開幕　山崎武司、飯田哲也氏が激論順位予想　セ・リーグ編　抜けている巨人、怖さがない阪神

(夕刊フジ)

　やってきました、本紙恒例のプロ野球セ・パ両リーグ順位予想。今年は、昨季限りで現役を引退し本紙にコラム「生涯ジャイアン」を連載中の山崎武司氏（４５）と、昨季までヤクルトの外野守備走塁コーチを務め「今夜もスーパーキャッチ」を執筆中の飯田哲也氏（４５）の“評論家１年生”同士が激論を戦わせた。同い年で、１９８６年ドラフト会議で指名された同期、楽天では球団創設から２年間チームメート。「武ちゃん」、「哲つぁん」と呼び合う仲の２人がペナントレースを占う。本日はセ・リーグ編を、どうぞ。

　──昨季セ覇者で、片岡、井端、大竹らも補強した巨人の１位は動かないか

　山崎「俗に言う“１強５弱”。１４４試合の長丁場を戦う上で、戦力差を考えると、よほど故障者が出ない限り、巨人が優勝するね」

　飯田「評論家として、優勝を予想しないのは困難。片岡を獲ったのもデカい。走力が使え、つなぎもできる。２番が適任だが、坂本の調子が上がってこなかったら、片岡１番でもいい。バリエーションが増えた」

　山崎「おれは、井端が多分いい味を出してくると思う。片岡だってウカウカしとれんよ。（片岡の）調子が悪きゃ、（スタメン二塁で）ちょこちょこ出る可能性もある」

　──あえて巨人の死角を挙げるとすれば

　飯田「先発投手でしょう。菅野、内海は計算できるが、杉内はオープン戦で調子の波が激しかった。ローテの５番手、６番手にも不安がある。しかし、抑えはしっかりしている」

　山崎「確かに、原監督も野手陣は心配していないと思うけど、先発投手陣はちょっと。ただし山口、マシソン、西村がいて、出遅れているとはいえ、沢村もおるわけでしょ。さらに久保とかも復活してくれば、先発は５回まで投げればいい」

　──昨季１２年ぶりにＢクラスに沈み、谷繁兼任監督が率いる中日は

　飯田「いずれにせよ、２位以下は“ダンゴ”でしょう。中日はもともとレベルの高い選手が多く、何とか試合はつくれるけど、浅尾の故障は痛いし、吉見が戻ってくるのも６月ごろとか。武ちゃん、２位予想っていうのは、どうなんだ？」

　山崎「ＯＢとしての願いも入っています（笑）。昨季に比べ、戦力の上積みはほとんどない。ただ“５弱”の中で経験値が高いのは中日ですよ。谷繁は新監督だがやるのは選手。みんながここ１０年くらいずっと優勝争いに絡んできた経験値は非常に高い。そこにモノをいわせての２位です。哲つぁんこそ、古巣のヤクルトが最下位で球団に怒られないか」

　飯田「選手たちには、予想を覆せ、裏切ってくれと言いたい！　とにかく投手が足りない。右ひじ手術から順調に復活しつつあった館山も、右ひじに違和感を訴えて開幕に間に合わない。昨季最多勝の小川は健在だが、いくらなんでも２４勝０敗を期待するわけにいかない。厳しい状況だ。しかし、打線の方で昨季不振だった畠山の復調次第では、上位進出の可能性も出てくると思う」

　──山崎さんはキャンプ中「ＤｅＮＡがダークホース」と評していたが、順位予想は５位

　山崎「未知数のおもしろい選手がたくさんいるということ。打線は折り紙付き。投手陣がどうかなったら、Ａクラスに行っちゃう。でも、いつまでも三浦をエースと頼っているようではダメ。若い三嶋、井納あたりが１０勝以上して、三浦が先発５、６番手の構成になれば強くなるよ」

　──広島の評価は高い

　飯田「“ダンゴ”の中では投打のバランスがいい。昨季Ａクラス入りした自信も大きい。前田を中心に投手陣は人材豊富で、野手もコマがそろった」

　──阪神はビミョー

　飯田「能見、藤浪が計算でき、メッセンジャーが中４日でもいけるのは強み。ただ、本拠地が広い甲子園とはいえ、本塁打を打てる打者がいない。昨季のチーム最多は誰だっけ？　マートンの１９本ですか。こわさがない。長距離砲が１人入れば変わるが、新外国人のゴメスの力量がはっきりみえてこない」

　山崎「もう少し上に予想したい気持ちもあるけれど、キャンプを見ていて、あまりにも投手がいないと感じた。先発ローテも、４人目以降はだれが投げたらいいのかわからん状態。スタンリッジを切ってまで獲得した抑えの呉昇桓も未知数。打線の力も格段には上がっていないよね」