日本において物事は「仕事」と「仕事以外」に分けられる。前者は価値があり、なにより尊く、後者は価値がない。仕事につながるあらゆることは価値があるとされ、仕事につながらないことは価値がない。
そりゃ少子化になるわ。価値がないんだもん。仕事じゃないから。
この異常なまでの「仕事至上主義」がどうにかならない限り、少子化をはじめ、いろんなことが問題になる。でも、誰も解決しようとはしない。仕事じゃないから。価値がないから。育児をさげすんでいるから、ベビーカーをみて顔をしかめるし、子供が泣いていると舌打ちをする。価値がないものを見せつけられたのだから気分が悪いのだ。どう書いても育児は仕事じゃない。つまりは仕事未満の価値しかない。育児をするのは無価値な行動だ。負け組のすることだ。勝者は仕事をする。ただひたすら仕事をする。そして仕事以外はしない。なぜなら仕事以外は価値がないから。どうして価値がないことをしなければならないのか。無駄だ。
プラスでなければ意味がない、価値がない。つまりは育児は金を生まないから無価値だ。いやむしろ負の価値がある。だから関係してはいけない。仕事に影響があるから。
そうやって、みんなして金以外の物から価値を奪っていった。ほんとは価値があったのに、金を万能、最高の尺度としてしまったから。日本は経済的成功を収めた。これからも収め続けなければならない。金を得なければならない。とにかく金がなにより大事だ。
そう、子供よりも。