【SS】馴染みある仲
 ハンク、ローンウルフ、ニコライ。

 別に普段から仲が良いわけでも悪いわけでもない三人だが、ふとしたきっかけでくだらない喧嘩に発展することもある。

 しかしそれはそれ、大人である三人の中で最も落ち着いている死神ハンクはどんな些細な口喧嘩もあっという間にあやふやにしてしまうのだ。


「お前たち……死ぬ覚悟はできているようだな…」

 ……それは死神本人が怒っていなければ、の話であるが。

「私もクライアントと約束があったんだ。女よりも金の方を優先したまでだ、何をそこまで怒っている?」
「いや、そりゃあ昨夜あのまま押し付けて置いて行ったことは悪かったと思うけどよォ……ナンパくらいどうにでもできただろ?」

 昨夜は珍しく三人で飲みに出かけて、酔った女達にナンパされた際にローンウルフとニコライは面倒ごとを全てハンクに押し付けてさっさと帰ってしまったのだ。

「お前たちが颯爽と立ち去った後にどれだけ私が苦労したと思っている」

 どうやらその後のハンクは運悪くベクターと遭遇したらしく、弟子の脳内に『女遊びをしているマスター』というあらぬ誤解を植え付けてしまったらしい。
 おかげで翌朝から大事な偵察兵のモチベーションは下がりっぱなしである。

「とにかくハンク、話を聞け」
「遺言か?三行で済ませろ」
「短いな!」
「パパ ママ ごめんなさい … で良いんじゃね?」
「ローンウルフ、お前は一文字だ」
「今時絵文字でも伝わんねーわ!!」

 自分の任務に支障を来たすことを何よりも嫌うハンクは、元々の原因である二人の置き去り行為にご立腹らしい。

 これからこの三人がどう仲直りをしていくのか。

 U.S.S.、U.B.C.S.、パイロット、それぞれの同僚たちが生暖かく見守るのであった。
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