ベルトウェイ
 はい、と包みを差し出せば、訝しそうな顔で見られた。

「んだよ、これ」

 どうやら寝起きらしく、機嫌が悪そうだ。
 ……だからって、今日女の子に物をもらうっていうのにそんな顔しなくてもいいと思う。

 突き出すように渡すと、ベルトウェイは包みをじーっと見て、私の顔を見た。

「で、何だ、これ?」

 開ければわかるよ。そう言うと、ベルトウェイは乱暴に包み紙を破ろうとし、私がいることを思い出し、おかしいくらい慎重に包み紙を開けた。
 内心イラついているのがわかる。

「あ?チョコレート?」

 そして訝しげに中身を見る。と、突然顔を上げた。

「おい、今日って何日だ?」

 2月14日。そう答えてあげると、面白いくらい一気に顔が赤くなった。

「え、じゃあ、これ……俺に?」

 うん。頷くと、今度はニヤニヤ笑い出した。さながら百面相、だ。

「へー。俺、チョコは嫌いじゃないぜ」

 さっきまでの機嫌の悪さはどこへやら。ま、あげた甲斐があったかな。

「ありがとよ」
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