消息を絶ったマレーシア航空MH370便について、同国のナジブ首相は24日夜、首都クアラルンプールで緊急の記者会見を開き、「MH370便はインド洋南部で飛行を終えた」と発表した。同機が墜落したとの見解を示したもので、乗客・乗員239人の生存は絶望的とみられる。

 民間の衛星情報をもとに英国航空事故調査局(AAIB)が航跡を分析した結果、不明機の最終地点がオーストラリア西部パースの西方沖、インド洋であると結論づけた。マレーシア政府は25日に改めて会見を開き、詳細を説明する。

 マレーシア航空は乗客の家族に「MH370便はインド洋に墜落し、生存者はいないとみられる」と伝えた。家族あての文書には「遺憾ながら、MH370便は失われ、搭乗していた全員が生存していないとみなさなければならない」とも書かれていた。

 ナジブ氏の会見を受けて、同航空は「MH370便がインド洋南部で飛行を終えたことを受け入れなければならないのは痛恨の極みです。家族の痛みを和らげるための言葉は見つからない」とする声明を発表した。さらに「今後数週間、数カ月先も全力で支援し続けたい」との意向を表明。乗客や乗員の家族らを墜落現場に連れていくための準備に入った。

 マレーシア機は今月8日未明、南シナ海の上空で消息を絶った。当初は南シナ海を中心に捜索活動が行われたが見つからず、日本を含む計26カ国の軍・救難当局が範囲をマラッカ海峡沖、インド洋沖と広げて捜索を続けていた。(シンガポール=都留悦史)