はじめまして!2013年度新卒入社、ブログ事業部デザイナーの伊藤弘希と申します。
アメーバブログのUIデザインや配布用ブログデザイン制作を行っています。
今回は社内で行われたデッサン研修についてお話したいと思います。
デッサン研修について
サイバーエージェントではアメーバピグをはじめ、ガールフレンド(仮)、天空のクリスタリアなどデフォルメから美麗といった様々なデザインコンセプトをもったサービス制作を行っています。
弊社Ameba事業本部デザイン戦略室の企画で、
「モノをありのままにとらえるデッサン力を養おう」
というテーマのもと湘南美術学園様を講師としてお招きし、4日間にわたってデッサン研修を実施致しました。本研修は美術系大学出身者ではない、デッサン経験の少ない若手デザイナー45名が参加し、基礎を学びました。
美術系大学出身ではないデザイナー
私も工業系の大学でインフォグラフィックという情報やデータを簡潔に視覚化する手法についての研究を行っていました。乗り換える駅名などが簡潔に描かれた電車の路線図を例に挙げれば分かりやすいかもしれません。資料収集をし、分析をするような研究だったので、アーティスティックに手を動かすというよりは理論を文章に書き上げることが多かったです。
そのため、入社当時は美術系大学出身者とのレベル差をひしひしと感じていました。それでもなんとか今日までデザイン業務に携われているのはデッサン研修をはじめとした手厚い研修制度と尊敬する先輩デザイナーのおかげと言えます。
1日目 構図をきめる
初日は目の前に置かれた石膏マスクを何の説明もなく、自己流でデッサンを行いました。
参加者に共通していたのは「輪郭線を描くこと」と「細部のパーツを個別に描きすすめること」でした。自己流で描き終えた後は皆で作品を並べ、品評会を行います。自分の作品が客観的にどう見られているのかとても分かりやすい体験です。
講師からはフィードバックとして、
・実際のモノには面と面が隣接しているだけなので輪郭線などないこと
・光の角度や設置の感覚をパーツごとにではなく全体の構図を見て進めること
を教えて頂きました。
2日目 道具の使い方と影の大切さ
自己流の前回とは違い、鉛筆の削り方から教えて頂きます。
デッサン未経験の私にはデッサン用に削られた鉛筆の先端が想像以上に鋭く、それだけで驚きました。練り消しゴムの形を用途に合わせて変えること、スケールで構図を決めるなど、本当に基礎からです。
講師から3DCGソフトを使用して影について講義をして頂きました。
初日にもあったように、デッサンに慣れていないと目や鼻といった細かなパーツを1つ1つ描き進めてしまいますが、彫刻を掘り進めていくように、全体を見ながら骨格を掘り進めていくこと。
また、その際に影の面と光の面がどこなのか、注意深く観察し、影の部分をしっかりと捉えることで全体の構図がおのずと浮かび上がってくるというお話でした。
画像にもあるように、影が分かるだけで、顔の輪郭が浮かび上がってきます。
3日目 白黒だけで色を付ける
鉛筆だけをつかって濃淡を6階調つくってみます。
鉛筆を紙に強く押し付けて真っ黒にしたものから、紙のそのままの白さの間に段々と濃さの変化をつけていきます。
するといかに自分のデッサンには濃さの強弱がなく、決まった薄い色でしか描かれていないことが分かります。白い石膏と赤いリンゴの違いを出すには、思い切って濃い色を載せていく必要を、この階調をつくる作業で理解することが出来ました。
色をつけていく際にも、輪郭に沿って色をつける「塗り絵」ではなく、影の部分を見つけ、立体を浮き彫りにするための「着色」を意識します。すると平面だった絵が段々と盛り上がって存在感を帯びていくのが分かりました。
最終日 「見る」ではなく「観る」
これまでの講義を経て、実際に描いたものと、初日に自己流で描いたものとを比べ、その差に驚きました。
輪郭線が描かれてイラストのように描かれていたものが、影と光を捉え、空間を切り取ることができるようになっていました。
ぼんやりと「見て」自分なりの解釈をしてデフォルメして描くのではく、客観的に観察をする。光と影、設置のリアリティを観察によって発見し、その発見を何度も紙に書き留めていく「観る」ということがリアリティを与えていくのだそうです。
最後に
デザインは感覚的なもののように思えがちですが、まったくの逆で、
1つ1つのディテールに1つ1つ説明ができるほど理論の塊のようなものです。
私の業務の中心はUI設計のなのでデッサン研修と言われた時にピンときていませんでした。
しかし「モノをありのままにとらえるデッサン力を養おう」というテーマの通り、デザインを客観的に観る良い訓練になりました。
研修の成果を活かしこれまで以上にクオリティーの高いデザインをアメーバブログで制作していきます。
最後までお読み頂きありがとうございました、
これからもアメブロをよろしくお願い致します。