新睡眠指針:「夜更かしや寝床のメール」ダメ…厚労省
毎日新聞 2014年03月24日 19時42分(最終更新 03月24日 20時17分)
◇若年・勤労・熟年の3世代別に注意点やアドバイス
厚生労働省の検討会(座長=内山真・日本大主任教授)は24日、若年・勤労・熟年の3世代別に睡眠の注意点やアドバイスを盛り込んだ新たな睡眠指針をまとめた。改定は11年ぶりで、4月に公表する予定。若者には夜更かしや、寝床に入ってからのメールやゲームのやりすぎを避けるよう求め、熟年には年齢に合った睡眠時間を勧めるなどしている。
新指針は、睡眠の不足や質の低下が高血圧、糖尿病などの生活習慣病やうつ病につながることを科学的な根拠を基に解説、「よい睡眠は生活習慣病予防につながる」と明記した。さらに大人の必要な睡眠時間は「6時間以上8時間未満が妥当」とし、必要以上に長く寝ても健康維持に役立つわけではないと説明した。
また、「高校生で起床時刻を3時間遅らせた生活を2日続けるだけで、体内時計が45分程度遅れる」などのデータを示し、若年世代で頻繁に夜更かしをすると、体内時計がずれて夜型になると指摘。朝に太陽光を浴びることなどで、体内時計のリズムを保つことを勧めた。
多忙な勤労世代には、「睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させるため、十分な睡眠時間を」と呼び掛け、眠気が生じた場合は、午後早めの時間に30分以内の昼寝をすると効果的だと示した。
熟年世代は「高齢になると必要な睡眠時間は短くなり、長く眠ろうとするとかえって睡眠の質が低下する」と注意を促し、適度な運動が睡眠の安定に役立つと紹介している。【下桐実雅子】
◇新指針の世代別ポイント
若年世代=夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
・子どもには規則正しい生活を
・休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
・朝目が覚めたら日光を取り入れる
・夜更かしは睡眠を悪くする
勤労世代=疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
・日中の眠気が睡眠不足のサイン
・睡眠不足は仕事の能率を低下
・睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
・午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善
熟年世代=朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠
・寝床で長く過ごしすぎると熟眠感が減る
・年齢に合った睡眠時間を大きく超えない習慣を
・適度な運動は睡眠を促進