米 エジプトの５００人超死刑判決を批判

3月26日 10時34分

エジプトの裁判所が大統領職を解任されたモルシ氏の支持者５００人以上に死刑判決を言い渡したことについて、アメリカ政府は、政治的な動機に基づいた裁判をやめ、国際法に従って公正な裁判を行うよう求め、批判しました。

エジプトの裁判所は、２４日、軍による事実上のクーデターで去年大統領職を解任されたモルシ氏の支持者が去年８月に起きた警察署の襲撃に関わったなどとして、５２９人の被告に死刑判決を言い渡しました。
これについてアメリカ国務省のハーフ副報道官は２５日の記者会見で、「僅か２日の裁判で、５２９人の被告に死刑の判決が言い渡されたことは、国際人権法の下でのエジプトの義務と一致しない。刑を執行するなら、常識はずれなことだ」と述べ、懸念を示しました。
そのうえで「エジプト政府は、政治的な動機に基づいた拘束や裁判をやめ、国際法で保障されている公正な裁判を受ける権利をすべての国民に認めるべきだ」と述べ、エジプトでは国民の権利が軽視されていると批判しました。
アメリカ政府は、今回、死刑判決を受けた被告や新たに裁判を受けることになっている６８０人を超す被告に対するエジプト政府の今後の対応を注視するとしており、対応次第では、さらに関係を見直すことも検討しています。