姉帯豊音にまつわるエピソードには少々不思議なところがある。
1.豊音は麻雀を打つ相手がおらず、一人で牌を並べていた。
2.「背向のトヨネ」というアダ名を付けられている。
……これ、よく考えると結構怖い。
麻雀を打つ相手がいないのに「背向のトヨネ」というアダ名を付けられているのなら、「背向」にあたる麻雀以外のエピソードがあったということなのだから。
■ 豊音は暗殺者? あるいは呪術者?
豊音は暗殺者、あるいは呪術者として育てられたのかもしれない。
能力のエフェクトが凄まじくダークだ。
また、闘牌中に見せる表情が狂気や虚ろをはらんでいる。
伝奇系作品で、そういった生業のキャラが世間と隔離されて育てられてきたという設定は時折見かけるが、もし本当に仄暗い職業だからこそ外に出してもらえなかった……という裏話があったとするなら、同年代との接触が少なく、妙に幼い(幼児退行? あるいは周りが大人にさせなかった? あるいは幼いが故につけこまれた?)性格と、ホラーじみた演出が同時に説明できる。
また、「私なんかが皆さんのお仲間にとか……… ありえないかなー…とかとか」からの「ちょーうれしーよー」と泣いてしまう感動の大きさと、同時に存在する感情の脆さも結構自然に納得できる。
さらにいえば、「宮守」に対比されているっぽい「永水」のライバルが「怖いものを降ろす」霞さんなので、「怖いもの」つながりで配置されている可能性も。
もちろん、これらの真相は不明。
そんなこともあったりなかったりするのかしら……という感じ……。
■ 豊音の能力は彼女の境遇と夢から生まれた?
このブログで時々書いてきたように、『咲-saki-』における能力は、環境や望みや性格や特性から得られることが多いのではないかと考えている。
参考記事:園城寺怜の能力はもっと生きたいという願いから生まれた
参考記事:咲 -saki- における能力取得の分類
でも、だとすると、彼女の麻雀に反映される能力が凄まじく苦く、つらい。
「先負」は先述したように「わないてきた」が故の「背向」から得た力なのだろう。
そして、「友引」はおそらく、彼女の境遇から生まれた。
泣いた(哭いた)後に、ぽつんと残された一人ぼっち。
「友引」は一人は嫌だという彼女の悲しい夢と現実がもたらしたものなのだろう。
だが、その願いも最後には叶ったのが救いだ。
一人でいたぼっちは、この上なく素敵な四人に出会うことになるのだから。
元ネタの八尺様を考えれば暗殺者というより呪術者に近いのかも、でもマジモンの妖怪だしなぁ・・・。
具体的にどんなことやらかしたら「背向」なんていう物騒なあだ名がつくのか・・・。