ニュース
「MS-DOS」「Word for Windows」のソースコードがコンピューター歴史博物館で公開
パーソナルコンピューターのルーツを語る上で避けては通れない2製品
(2014/3/26 10:49)
米コンピューター歴史博物館(The Computer History Museum、CHM)は25日(現地時間)、初期バージョンの「MS-DOS」および「Word for Windows」のオリジナルソースコードを同博物館のWebサイトで公開した。これらの製品のソースコードが公開されたのは初めて。
コンピューター歴史博物館では、コンピューターの歴史の中でとくに重要なソフトウェアプログラムを選んで保存・公開しており、これまでにも「Apple II DOS」「IBM APL」「Apple MacPaint」「Apple QuickDraw」「Adobe Photoshop」といった製品の歴史的なバージョンのソースコードが公開されている。今回、Microsoftの協力の元、その列に「MS-DOS」と「Word for Windows」が新たに加えられた。
1980年頃、IBMは自社のパーソナルコンピューターに搭載するOSを探していた。それに応じたのが当時BASIC言語のインタプリターを提供していたMicrosoftだ。そのころのMicrosoftにはOS開発のノウハウがなかったため、Seattle Computer Productsが開発していたOSのライセンスを開発チームごと取得し、IBMと協力してPCへ搭載するために手を加えた。それが“Chess”というコードネームをもつ後の「PC DOS」で、Microsoft自身も「MS-DOS」という名で各メーカーへ出荷した。その歴代バージョンのうち、今回は1983年にリリースされた「MS-DOS 1.1」と、1983年にリリースされた「MS-DOS 2.0」のソースコードが公開されている。
一方、「Word」は1983年に初めてリリースされた。このバージョンの「Word」はDOSで動作しており、のちの「Windows」の基礎となる独自のグラフィカルユーザーインターフェイスを備えていたが、当時シェアを握っていた「WordPerfect」に阻まれ、市場で大した成功を収めることができなかった。しかし、1989年に「Windows 3.0」で動作する「Word for Windows」がリリースされると状況は一変。4年を経ずに世界中のワープロソフトの売り上げの半分以上を占めるまでに成長した。今回ソースコードが公開されたのは、1990年にリリースされた「Word for Windows 1.1a」。
どちらのプログラムも1980年代から1990年代にかけてもっとも広く利用されたプログラムであり、将来世代の技術者がパーソナルコンピューティングのルーツをより深く学ぶ上で避けて通れない存在であると言えるだろう。
URL
- Computer History Museum
- http://www.computerhistory.org/
- Computer History Museum | Press | Computer History Museum Makes Historic MS DOS and Word for Windows Source Code Available to the Public
- http://www.computerhistory.org/press/ms-source-code.html
- Microsoft makes source code for MS DOS and Word for Windows available to public - The Official Microsoft Blog - Site Home - TechNet Blogs
- http://blogs.technet.com/b/microsoft_blog/archive/2014/03/25/microsoft-makes-source-code-for-ms-dos-and-word-for-windows-available-to-public.aspx#.UzGtNnZ3GfA.twitter
最新記事
- 「MS-DOS」「Word for Windows」のソースコードがコンピューター歴史博物館で公開[2014/03/26]
- GRETECH、問題となっていた標的型攻撃への対策を施した「GOM Player」v2.2.57.5189[2014/03/25]
- Windows ストアアプリ開発ツール「Project Siena」のBeta 2が公開[2014/03/25]
- 「Microsoft Word」にゼロデイ脆弱性、応急処置のための「Microsoft Fix it」が公開[2014/03/25]
- デジ・デジ・デイ、64bit環境に対応した「お忍びリネーム」v2.1.2を公開[2014/03/25]
- オープンソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg 2.2」が公開[2014/03/24]
- Piriform、ファイルシステムExt2/Ext3に対応したファイル復元ソフト「Recuva」v1.51[2014/03/24]
- オープンソースで開発されている無償3DCG制作ツール「Blender」の最新版v2.70が公開[2014/03/24]
- ドライバーのアンインストール機能が追加された「Driver Booster Free」v1.3[2014/03/24]
- 新デザイン“Australis”をまとった「Firefox 29」がベータ版に[2014/03/24]
バックナンバー
|
|
|