「ジャネット・イエレンについて説明せよ」
「ぅゎぁ・・・」 思わず、小声で呻いてしまった。
先日、とある大手企業の採用筆記試験に臨んだところ、こんな問題が出たのだ。ぼくは微塵もわからなくて、なぜか怒りがこみあげてきた。分からない自分への憤りもあるが、「こんな問題、出すのかよ」という逆ギレで頭がいっぱいになったのだ。
他の問題も似たようなものだったので、とりあえずその場は途中退室させてもらった。
「社会、なめてるのかなあ、俺」
割りきって途中退室したつもりが、結局胸の中はぐるぐるし続けていた。
とりあえず電車に乗る前にジャネット・イエレンはググって、なるほど、10秒で把握。
なぜ知識を問うのだろう。そんなの、webを使えばわかることだ。仕事で必要なことなら調べます、覚えます。でも就活で大事なのは、ぼくが何者で、そのインプットをどう活かす人間なのか、ということじゃないのか。
ぼくを知ってほしい。人を見ようとする採用が少なすぎる。企業・学生、双方の幸せなマッチングを目指すのが、就活(採用)のはずだ。それなのに、ただ良い歯車が欲しい企業や、安直に多数の企業にエントリーしまくる学生達がいる。
だから、「面接必勝テキスト」「2014年の基礎教養ガイド」が象徴するような、画一的「就活お受験」体制ができあがる。ほんとうに、もうやめてほしい。ちゃんと、ぼくという人間を見てほしいのだ。
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