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【放送芸能】

知らない道歩く楽しさ NHK朝ドラ「花子とアン」ヒロイン・吉高由里子

 三十一日スタートのNHK連続テレビ小説「花子とアン」のヒロイン、安東はなを演じる。モンゴメリ作「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子さんの半生を描く物語で、朝ドラ九十本目となる節目の作品。「誰かの日常に添えられる十五分だと思う。見てくださっている方の心に寄り添える作品になれば」と気を引き締める。

 山梨の貧しい家に生まれたはなが東京の女学校で英語を学び、教師や編集の仕事を経て、翻訳家・児童文学者としての道を歩む半生を恋、友情、関東大震災、戦争などをからめて描いていく。

 朝ドラは「フレッシュなイメージ」があり、「私は大丈夫かな」と不安を口にする。どこか不思議な雰囲気が漂う女優だが、映画「横道世之介」で見せた幸せそうな笑顔がキャスティングの決め手の一つとなった。

 「好奇心旺盛で、想像力豊か。大人になってものびのびしているような女性」とはなのキャラクターを分析し、「目の前のことに没頭するあたりは私と共通しているかも。メールをしている時に会話ができないんです。話しかけられた言葉をメールで打っちゃったり」と笑う。

 昨年十月下旬にクランクイン。甲府のオープンセットでのロケが「シャレにならないくらい寒かった」ことや、ふだんは左利きだが役づくりで右利きに直して「いいダイエットになった」こと、「五十すぎの役を初めてやり、特殊メークに三時間かかった」ことなど、撮影ならではの苦労や経験が続いているが、「明るくケラケラするよう努めてます」と“座長”として現場の雰囲気づくりへの気配りも忘れない。

 ドラマの冒頭に出てくる「曲がり角を曲がった先に何があるのかはわからないの。でも、きっと一番よいものに違いないと思うの」というアンの言葉が強く心に響いたという。「大人になるといっぱい知識が入ってきて怖がってしまうけど、知らない道を歩くのは楽しい。自分に勇気をくれた言葉です」

 朝ドラは、「あまちゃん」「ごちそうさん」と高視聴率が続いているが、「気持ちを強く持って、自分の子どものように『花子とアン』を愛し続けたいです」。

  (山岸利行)

☆3つの質問

<1>幸せを感じる時

 仕事が休みの日の前、目覚ましをかけずに寝る時。

<2>女優になっていなかったら

 小さいころの夢は魔法使い。

<3>無人島にひとつだけ持っていくとしたら

 男手。たくましくて頼りになりそうな人。

<よしたか・ゆりこ> 1988年7月22日、東京都出身。2006年、映画「紀子の食卓」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。08年、「蛇にピアス」で主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、13年、「横道世之介」で毎日映画コンクール助演女優賞などを受賞。「美丘−君がいた日々−」「ガリレオ」などドラマ出演も多数。

 

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