日本の住まいを考える

変わりゆく老後の家、
「縁居(えんきょ)」の時代がやって来る閉じこもりたくない団塊世代

2014.03.26(水)  有井 太郎

日本が超高齢化社会へと突入する中、住人たちの「縁づくり」や「役割」を重視したシニア向けの集合住宅が出てきている。例えば、「元そば職人の住人がランチに手打ちそばを振る舞う」「住人向けの起業支援サービスがある」といった集合住宅が実際にあるのだ。もちろん、このようなモデルはまだ少なく、あくまで「兆し」の段階だ。

 しかし、今後はこの兆しが主流になる可能性があるという。理由の根底にあるのは、今後シニアの中心となる団塊世代の「住まいに対する意識」だ。その意識が、高齢者の住宅事情に大きな変化をもたらすかもしれない。

住生活と自己啓発へのこだわりが強い団塊世代

 第1次ベビーブームの時期に生まれた人々を指す「団塊の世代」。超高齢化社会の中で、今後シニアの中心になるのはこの世代だ。高齢者向けの住宅を考える上でも、団塊世代の人々の志向がポイントとなってくる。

「SUUMO(スーモ)」 編集長の池本洋一氏

 「団塊の世代を含む今の60代は、これまでの60代の方々と大きく異なる『住まいの感性』を抱いています。そのため、彼らは老後を考える上で、従来通りの高齢者向け施設や住宅ではなく、新しい形のスタイルを求めていくのではないでしょうか」

 そう語るのは、リクルートの不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)」の編集長・池本洋一氏。実際の調査でも、そのような「感性の違い」が表れているようだ。
 

 例えば内閣府の「国民生活に関する世論調査」では、2…
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