[速報]Google、AWS対抗をあらわにした値下げと新価格体系を発表。継続利用で自動値引き

2014年3月26日

Googleは3月25日(日本時間3月26日早朝)にイベント「Google Cloud Platform Live」を開催。クラウドに関する新価格および新価格体系を発表しました。

発表では名指しはしないものの、つねにAmazonクラウドよりも安価かつシンプルなものであることが強調されており、Googleがクラウド市場において本気で攻めの姿勢を見せたことが強く印象付けられました。

特に標的となったのが、予約金を払うことで利用料金が安くなる「リザーブドインスタンス」と、データ分析サービスの「Amazon Redshift」。リザーブドインスタンスについては、クラウドの価格体系を複雑にしていると切って捨て、よりシンプルな価格体系として継続利用値引きを提示。Amazon Redshiftに対してはBigQueryの大幅値下げと処理性能の向上で対抗しています。

クラウドの価格もムーアの法則に従うべき

Google シニアバイスプレジデント Urs Hölzle氏。

fig

クラウドの仮想マシンの価格は1年ごとに6%から8%ずつ値下がりしているが、一方で物理サーバの価格は1年ごとに20%から30%ずつ値下がりしており、しかもフラッシュストレージなどの価格はさらに劇的に下がっている。

fig

もちろんサーバを稼働させるためには電力コストや運用担当者のコストなどがかかるが、それらを考慮してもこのギャップが埋まるほど大きくはない。クラウドの価格もムーアの法則に従うべきだ。

そこで私たちはクラウドの価格について2つの発表をする。即時の値下げ、および継続利用における値引きだ。

fig

即時値下げの発表

まず即時値下げの発表。Google Compute Engineの価格を、すべてのリージョン、インスタンスサイズ、クラスで最大32%値下げする。これは競合他社の3年リザーブドインスタンスよりも安い。

fig

Google Cloud Storageは最大68%の値下げを行う。

fig

BigQueryは最大85%の値下げを行い、誰でも使いやすい価格になった。

fig

競合他社の同様のサービスは8万ドル以上のコストがかかるが、BigQueryは2万ドルで利用できる。私たちのサービスは競合他社よりも75%も安価だ。

fig

予約による値引きを否定。クラウドの継続利用で値引き

クラウドの価格にはまだ課題がある。もともとクラウドというのは、前払いや予約などしなくても、いつでも安価なコンピューティングリソースが調達できるはずだったのではないか。

しかし現実には、3年分のコンピューティングリソースを利用するのに、いったいどのプランをどれだけ予約しておけばいちばん安く上がるのか、最適解を得るのが非常に複雑になってしまった。

fig

私たちは、前金不要、ロックインなし、シンプルな価格体系を原則にすべきだと考えている。

fig

そこで発表するのが継続利用における値引きだ。

fig

これは仮想マシンを月の25%以上利用し続けていると、自動的に値引きが行われるというものだ。30%の値引きが行われる。

fig

私たちは、もともとクラウドが提供しようとしていたものを、即時値引き、シンプルな価格体系、予想可能な料金、ムーアの法則に従う価格といった原則によって提供していきたい。

fig

Google Cloud Platform Live 2014

このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Delicious

タグ : Google , Google Compute Engine , IaaS , クラウド

≫次の記事
[速報]Google Compute EngineがWindows Server、SUSE、Red Hat対応。Cloud DNS機能も
≪前の記事
マイクロソフト、「MS-DOS」と「Word for Windows」のソースコード公開。コンピュータ歴史博物館への寄贈で

Loading...

Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。新しいオンラインメディアの可能性を追求しています。
詳しいプロフィール


新サイト「Publickey Topics」始めました!


Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
RSSリーダーで : Feed





アクセスランキング - 過去7日間

  1. [速報]Java 8が正式公開。ラムダ式、新しい日時API、JavaFX8など。NetBeans 8.0も登場
  2. クックパッドのデプロイとオートスケール、1日10回デプロイする大規模サイトの裏側(前編)。JAWS DAYS 2014
  3. Gmail、2013年の可用性は稼働率99.978%、年間ダウンタイム2時間以内だったとGoogleが明らかに
  4. Excel方眼紙をアプリ化する「Forguncy」のプレビュー版が無料公開
  5. クックパッドのデプロイとオートスケール、1日10回デプロイする大規模サイトの裏側(後編)。JAWS DAYS 2014
  6. テストエンジニアのモチベーションを上げるにはどうすればいいか (前編) JaSST'14 Tokyo
  7. テストエンジニアのモチベーションを上げるにはどうすればいいか (後編) JaSST'14 Tokyo
  8. AngularJS、次バージョンとなるAngularJS 2.0の開発がスタート
  9. 次期Java 8は来年2月、Java EE 7は今年6月にリリース予定。Java Day Tokyo 2013
  10. 村井教授「絶対に個人からパワーは生まれる」、夏野氏「この25年は西暦2100年頃の教科書に載る」、Web生誕25周年パネルディスカッション「Webの現在から未来へ」(前編)
  11. 最近よく目にする「フルスタックエンジニア」とは何だろうか?
  12. マイクロソフト、「MS-DOS」と「Word for Windows」のソースコード公開。コンピュータ歴史博物館への寄贈で
  13. シスコ「InterCloud」発表、OpenStackベースのクラウド基盤。1000億円を投資しパートナーとパブリッククラウド提供へ
  14. 複数クラウドのインスタンスの状況や課金状況を把握、予測できるダッシュボード「RightScale Cloud Analytics」がベータ公開
  15. 村井教授「絶対に個人からパワーは生まれる」、夏野氏「この25年は西暦2100年頃の教科書に載る」、Web生誕25周年パネルディスカッション「Webの現在から未来へ」(後編)

Publickey 最新記事 10本

Publickey Topics 最新記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig

fig



blog comments powered by Disqus