STAP幹細胞:別マウスの遺伝子検出 山梨大の保存分

毎日新聞 2014年03月25日 21時58分(最終更新 03月26日 00時30分)

 STAP細胞論文の共著者の一人が保管するSTAP細胞から作った細胞を簡易的に解析した結果、STAP細胞を作るため使ったはずのマウスの遺伝子のタイプが確認されず、別の系統のマウスしか検出されなかったことが、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の関係者への取材で明らかになった。この細胞は、英科学誌ネイチャーで発表した論文には使われていないが、CDBはSTAP細胞の真偽を確認するため、論文に使った細胞を独自に解析する検討を始めた。

 解析したのは、STAP細胞から変化させて作った「STAP幹細胞」。iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)のように増殖する性質があるとされる。一方、STAP細胞の再現実験が研究チーム以外で成功していないことなどからES細胞の混入も疑われている。

 解析した細胞は、当時CDBに所属していた若山照彦・山梨大教授が、小保方晴子・理研研究ユニットリーダーに「129」という系統のマウスでSTAP細胞を作製することを依頼し、小保方リーダーが作製した細胞を基に作った。若山教授が山梨大へ移籍後も冷凍保管していた。

 STAP幹細胞ではSTAP細胞から変化後も、元のマウスと同じ遺伝子のタイプが確認されるはずだが、CDB関係者によると、山梨大が保管していたSTAP幹細胞2株を解析した結果、「129」ではなく「B6」など別の2系統のマウスが検出された。この2系統のマウスはES細胞の作製によく使われるという。

 若山教授は、この細胞などを第三者機関に送り、詳細な解析を依頼している。【須田桃子、八田浩輔、斎藤広子】

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