新しい万能細胞を作製した小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの所属する理化学研究所について、下村博文・文部科学相は31日の閣議後会見で、世界最高水準の研究開発を担う新制度の「特定国立研究開発法人」に指定する考えを明らかにした。再生医学の研究を加速させる。

 新法人は、優秀な研究者を高給で優遇するなど、資金を自由に使える。政府はこの制度を盛り込んだ独立行政法人改革の基本方針を昨年12月に閣議決定した。欧米では研究機関のトップに5千万円程度の年俸を出すケースがあるが、新法人の指定によって日本でも同水準の年俸の研究者が出る可能性がある。

 下村文科相は「若手や女性研究者の働きやすい環境を作り、充実させることで、第二、第三の小保方氏や画期的な研究成果が生み出されるように応援する」と述べた。

 政府は新法人制度について、近く関係閣僚会議を開いて正式に決め、今国会に法案を提出する。(西川迅)