サッカーJリーグ、コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブ(札幌市)は25日、2014年12月期の事業計画を発表した。3106万円ある債務超過を今期末に解消しなければ、クラブライセンス剥奪の危機にある。新加入で元日本代表の小野伸二選手を中心に集客策をたて、最終利益は前の期の5倍の3234万円を見込む。
同日発表した13年12月期の最終損益は2期ぶりに黒字に転じ、633万円の利益を上げた。ただ計画(1720万円の黒字)を大幅に下回る。J1からJ2に降格したことで興行収入は17%減、広告収入は9%減った。コスト削減のため事務所を札幌ドームからスポンサーの石屋製菓(札幌市)の白い恋人パークに移転。スポンサーから8500万円の寄付金を募ってしのいだ。
Jリーグには12年から、3期連続で赤字決算や債務超過になったクラブにライセンスを交付しない決まりがある。同社は興行収入や広告収入を伸ばして最終利益を増やし、13年12月期末時点で3106万円ある債務超過の解消を目指す。
収入増の柱が6月に加入する元日本代表の小野伸二選手の存在だ。スター選手を中心に観客を呼び込むPRで、後半戦の観客動員数として2000~2500人増を見込む。また札幌ドームでの試合を前シーズンより7試合増やし、通年で7000万円程度の増収となる計画だ。
また人気サッカー漫画「キャプテン翼」に登場するコンサドーレの選手にちなんだ「松山光プロジェクト」を2月に始めた。若手選手の育成費に充てるとして、1口1万円で個人が寄付する。ファン自らが選手を育て上げる喜びを見いだす施策で、現時点で2千万円弱集まっているという。
さらにインドネシア人のステファノ選手の獲得をめざし、同国に事業進出したい企業からのスポンサー契約を狙う。昨期はベトナム人のレ・コン・ビン選手を招いたことが奏功し、ベトナムで放送メディア事業などを進めていた住友商事とスポンサー契約した。活気あるアジアの経済成長の導入を目指す。
債務超過に向けた増資などは6月までの財務状況で判断するという。会見した野々村芳和社長は「まずは営業努力し、避けられなくなった段階で資本政策を視野に入れる」と話した。
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