聞き手・構成 高久潤、守真弓
2014年3月25日15時31分
「草食系」や「さとり世代」――。「最近の若者」とセットで語られるのは、野心や欲望を感じさせない言葉だ。本紙でも昨年8月、作家の渡辺淳一さんと林真理子さんが対談し、若い世代に向けて、ギラギラした野心や欲望の大切さを説いた。いわく、「幸せの原点」「欲望をエネルギーに」。でも、本当に若者って「欲がない」のか。さとり世代に属する作家の朝井リョウさん(24)と、独自の若者論で知られる社会学者の古市憲寿さん(29)に、欲望について語ってもらった。
■文学賞が全部ほしい理由は
古市 「草食系」だの、「さとり世代」だの言われる最近の若者だけど、欲望って昔と変わったと思う?
朝井 確かに「不便で満ち足りない」って感覚が持ちづらいというのはある気がする。古市さんの著書で、20代の約80%は「現状の生活に満足している」って話があったよね。それってたとえば、おいしいフレンチが高くて食べられなくても、おいしい「フレンチ風リゾット」だったら、380円くらいでコンビニで買えるってことだと思う。欲望が100あるとして、そのうち75が解消されたから「まあいいや」って。
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