【モスクワ=田中孝幸】ロシア経済発展省は24日、今年1~3月期のロシアからの純資本流出額が約700億ドル(約7兆円)に上るとの予測をまとめた。昨年1年間の流出額(627億ドル)を超える水準で、ウクライナ危機を巡る欧米各国との対立を背景に経済情勢の悪化に歯止めがかからなくなっている。
同省のクレパチ次官は記者団に2月の実質経済成長率が前年同月比0.3%で、1月の0.1%と同様の低水準にとどまったことを明らかにした。国内投資の停滞などで1~3月期はほぼゼロ成長になるとし、2014年の政府予測の2.5%の達成は早くも困難な見通しとなった。
一方、通貨ルーブルの下落による輸入品価格の上昇でインフレは加速。2月に6.2%だったインフレ率は3月に約7%に上昇すると予測した。中央銀行が目標レンジとしてきた5~6%も上回っており、次官は「(先進国との)関係悪化が著しいマイナス要因となっている」と危機感をあらわにした。