公職選挙法違反:猪瀬氏を立件へ 東京地検特捜部

毎日新聞 2014年03月25日 11時21分(最終更新 03月25日 11時49分)

猪瀬直樹前東京都知事=東京都新宿区の東京都庁で2013年11月22日、矢頭智剛撮影
猪瀬直樹前東京都知事=東京都新宿区の東京都庁で2013年11月22日、矢頭智剛撮影

 東京都の猪瀬直樹前知事(67)が医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取った問題で、東京地検特捜部は、猪瀬氏を公職選挙法違反で立件する方針を固めた模様だ。選挙運動費用収支報告書に記載しなかったことが虚偽記載にあたると判断したとみられる。上級庁と協議し、近く最終決定する。

 猪瀬氏は「個人的な借り入れで選挙資金ではない」と主張してきた。しかし特捜部は、グループ創設者の徳田虎雄前理事長(76)が「選挙に使ってもらうためだった」などと説明したことや、都知事選への出馬を正式表明する前日に資金提供を受けた経緯などを重視。選挙資金だったと認定し、額も大きいことから刑事責任を問うべきだと判断したとみられる。

 一方で、5000万円が実際に選挙に使われた形跡がなく、知事を引責辞任したことも踏まえ、特捜部は公判請求をせずに罰金を科す略式起訴とすることも視野に入れ、改めて猪瀬氏に説明を求めたうえで処分を決めるとみられる。

 これまでの猪瀬氏の説明などによると、猪瀬氏は2012年11月6日、新右翼団体「一水会」の木村三浩代表の仲介で神奈川県鎌倉市の病院に入院中の前理事長と面会し、知事選出馬の考えを伝えた。同14日には前理事長の次男の徳田毅前衆院議員(42)、前議員の母(75)、木村代表らと東京都内で会食し、同20日に前議員が議員会館で5000万円を猪瀬氏に手渡した。

 猪瀬氏は、徳洲会グループが選挙違反事件で強制捜査を受けた後の昨年9月、特別秘書(当時)を介して5000万円を徳洲会側に返却している。

最新写真特集