僕はTOEICでスコア835を持っているが、これは工学を専攻している人の中では比較的高い点数であるようで、しばしば他人からTOEICに関してのアドバイスを求められることがある。
最も多かった質問が「初心者で本番まであまり時間がないんですけど、どうにか良い点数が取りたいんです。どうすればいいですか」と言った質問だ。
ここに僕なりの回答を載せておこうと思う。(僕自身スコアは高い方ではないけれど、それでも少しは参考になるものがあるのかなと思っている)
TOEIC初心者が残り少ない本番前の期間にやるべきこと、やれることは、たった3つである。
1.TOEICに慣れる
初心者といえども英語のレベルは様々で、経験者との決定的な違いはまさにTOEICに対する「慣れ」である。
本番まで時間がないのだから、英語力をコツコツ上げている暇なんてなく、まさにその「慣れ」を手に入れるのがスコアを上げる近道である。
ではどうやったらTOEICに慣れることができるのか。
当然TOEIC自体をを何度も経験すれば良いということになるが、何度も受験するのはお金も時間ももったいないので、つまるところ「TOEICの模試」をたくさんこなせば良いということになる。
独自の模試を載せた参考書はたくさん出版されているが、中でも公式問題集がオススメである。
TOEICを運営している会社から出版されており、本番に限りなく近い模試が収録されているからだ(同じページレイアウト、同じスピーカー、同じレベルの問題構成、より正確な問題傾向など)。
この公式問題集を何度も繰り返せばTOEICに慣れることができ、短い期間で比較的高い得点を得ることができる。
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※公式問題集をやったことがないというTOEIC高得点者は見たことがない。誰もが一度は通る道であり、買って損はしないと思う。ちなみに、このvol.4がオススメだと言われている。
つまり、初心者が本番までの残り少ない期間でするべきことは、「公式問題集」を繰り返し解くということだ。
それも、答えを覚えてしまうくらい繰り返し解く必要がある。
ただし、ただ繰り返し解くのではない。
以下に記す事柄を意識、実践しながら模試を解き、TOEICに慣れていく。
時間を測って解く
TOEICで初心者が抱える大きな問題として、時間が足りず全ての問題を解くことができないという点があげられる。
そしてこれに対してもTOEICに慣れることである程度対策することができる。
そのためには模試をきちんと時間を測って解いて、どのパートではどのくらいの時間を費やしていいのかをきちんと見極める必要がある。
具体的には、リーディングパートでPart5を15分、Part6を6分、Part7を54分程度で解くことを目安にしよう。
何度も出てくる単語だけ覚える
どうせ模試をやるのだから、効果的にTOEICに必要な単語を身につけてしまおう。
英語の試験において単語は命であるが、時間がないのだから単語の勉強だけに多くの時間を割く訳にはいかない。
よって、模試を解きながら何度も出てきて、かつ、知らない単語のみを覚えていくことをオススメする。
何度も出てくるということは当然重要な単語ということであり、単語帳をわざわざ買って謎のレベル分けされたものから勉強していくのとは効率が全く違うのである。
さらにいうならば、リスニングの問題文によく出てくる単語は必ず抑えておくべきである。
なぜなら、まずリスニングに出てくる単語はそれほど難易度が高くなく取っ付き易いこと、問題文がわからなければリスニングの先読み(後に紹介)ができないということ、そしてリスニングの問題はかなりのスピードで読む必要があるからわからない単語があれば致命的になってしまうからである。
時間がないのであるから、確実に出てくる単語のみを勉強するしかないのだ。
2.文法だけは、面倒でも勉強する
読むスピード、リスニングの精度などと違って、単語と同じように、文法とはトレーニングするだけでは身につかない。
よって、文法は模試を解いていくだけでなく、個別に勉強する必要がある。
模試から文法を学ぶことも可能であるが、公式問題集では文法がまとめて掲載されたりはしていないので、ここでは別冊の文法書から勉強することをオススメする。
※この本は学ぶべき文法別にまとめて練習問題が乗っており、非常に効率よく勉強できる。模試のようなものも載っており、巻末には文法まとめも載っているため、オススメの文法書である。
文法を身につけることで、仮に選択肢に並ぶ単語が分からなくとも正解を導けるなんてこともある。
主にpart5に効果が出るものであるが、TOEICすべてのパートに良い影響を及ぼすだろう。
単語と文法は「慣れ」ではない部分であるといったが、文法の方だけわざわざ勉強する理由は、未知の単語の数と未知の文法の数を比べればすぐに分かるだろう。
文法を勉強することは、実に効率のよいことなのである。
あまりに時間がないのであれば、簡単に覚えられかつ点数が取れる、品詞問題・仮定法などを勉強すると良いだろう。
3.TOEICならではの小技を修得する
TOEICを受ける上で誰もが実践している、TOEICならではの小技を身につけておく必要がある。
TOEICの試験形式は少々特殊なものであるから、それに合わせた受験の仕方というものがあるのだ。
多くの小技がネットなどで紹介されているが、確実に結果が出るだろう小技を2つ紹介する。
part3,4の先読み、マーク
part3,4では、その問題のリスニングが流れている時に問題文、選択肢を読んでいる暇は無い。読みながら聞くことは、かなりの熟練度が必要となるのだ。
よって、問題文、できれば選択肢も、先に読んでイメージを持ってから、リスニングへと入る。
また、先読みすることはかなりの集中力と早読みが必要なため、part3,4では問題を解いても塗りつぶしている暇はない。
代わりに縦線などを引いて目印を付けておき、part4が終わった瞬間一気に塗りつぶす。(僕はこの塗りつぶし作業を行っている間に、リーディングセクションのための休憩&心構えをやってます。。)
part7のNOT問題
part7のNOT問題とは、4つの選択肢の中から間違っているものを探して答えよ、という問題で、選択肢全てをきちんと読み、理解しなければならず、時間がかかってしまう。
普通の問題では、正解となる選択肢さえわかれば、他の選択肢は分からずとも、さらに言えば読まずともいいのだが、NOT問題はそうではないのだ。
TOEICでは、初心者はとにかく時間が足りないため、このNOT問題は解くべきではない。
出てきたら、すぐに適当にマークしてしまおう。1問を時間を書けて正解し、時間が足りなくなるくらいなら、全体として少しでも多くの問題を正解することが大切なのだ。(それにNOT問題は難易度が高い場合が多い。)
まとめ
TOEIC初心者が、本番までの残り少ない期間でやれること、やるべきことは以下の3つである。
- TOEICに慣れる
- 文法を学ぶ
- 小技を身につける
紹介した方法を実践して、ぜひ望んでいるスコアを取っていただけたらなと思う。