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高齢者の睡眠時間6時間程度で
3月24日 18時04分

睡眠を健康的に取るための指針について、厚生労働省は、世代ごとの注意点を盛り込んで11年ぶりに見直しました。
この中で65歳以上の高齢者に対しては、長時間眠ろうと寝床で長く過ごしすぎると不眠につながるおそれがあるため年齢にあった6時間程度の睡眠時間を心がけるよう呼びかけています。

厚生労働省は、11年前に睡眠の指針をまとめていますが、不眠に悩む人が多いことなどから、24日、開かれた専門家による検討会で世代ごとの注意点を盛り込んだ新たな指針をまとめした。
この中では、まず適切な睡眠時間について、▽10代前半までは8時間以上、▽25歳は、およそ7時間、▽45歳は、およそ6時間半、▽65歳は、およそ6時間と、個人差はあるものの年齢とともに短くなっていくとしています。
そのうえで、65歳以上の高齢者に対しては、長時間眠ろうと、必要以上に長い時間寝床に就いていると、寝つくまでの時間が延びたり夜中に目覚める回数が増えたりして、熟睡感が得られず、不眠につながるおそれがあるとして、年齢にあった睡眠時間を心がけるよう呼びかけています。
働く世代に対しては、疲労を回復し、仕事の能率を高めるため毎日、十分な睡眠を取るよう促すほか、不足した場合は30分以内の短い昼寝が効果的だとしています。
働く前の若い世代に対しては、夜更かししないよう促すほか、寝床で携帯電話やゲーム機に熱中すると、光の刺激で目が覚めてしまうので、注意が必要だとしています。
そのうえで指針では、無理に寝ようとせず、眠くなってから寝床に入り、起きる時間を一定に保つほか、睡眠に問題が生じた場合は、早めに専門の医師などに相談し、睡眠薬は専門家の指示で使用するよう呼びかけています。

検討会座長「指針に照らし健康作りを」

検討会の座長を務める日本大学医学部の内山真教授は「睡眠が足りなかったり質が悪かったりすると、日中の作業効率が落ちるだけでなく、高血圧などの生活習慣病のリスクが高くなったり心の状態に悪い影響を与えたりすることが分かってきている。必要な睡眠は年代ごとに大きく変わるので自分の年齢と生活習慣を指針に照らし合わせて、健康作りに生かしてほしい」と話しています。

睡眠専門のクリニックでは

東京・調布市にある睡眠専門のクリニックには、毎月およそ3000人の患者が訪れていて、このうち3人に1人は高齢者だということです。
高齢者のほとんどは「長時間、しっかり眠れない」と訴えて受診するということです。
24日に受診した69歳の男性は定年後、寝つきが悪くなりましたが、今は処方してもらった睡眠薬を服用することで眠れるようになったといいます。
この患者は「当時は、きょうも眠れないのではないかと不安になって、体調や気持ちが悪くなっていた。今でも薬をやめようとすると全然眠れなくなってしまう」と話していました。
クリニックが患者の寝ている間の体の揺れを装置を使って調べた結果、この患者のように寝つきが悪い患者ほど、寝返りなどが多く、深い眠りが取れていなかったということです。
また、こうした患者の大半は、睡眠時間が長くても、体調や気分の不調を訴えているということです。
クリニックの遠藤拓郎院長は「眠くないのに無理に眠ろうとして寝床に入ると、かえって緊張してしまって眠れなくなる。高齢者は若いころより睡眠時間が少なくても大丈夫なので焦らず、昼間、適度な運動して眠くなってから寝床に入るよう心がけてほしい」と話しています。

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