これは興味深い。
●マレーシア機の行方はもう確定している - xevra's blog
(http://xevra.hatenablog.com/entry/2014/03/23/210106)
しかも次のような、陰謀論の基本的な要素を備えている。
- 軍は万能である
- 軍は秘密を守る
- 軍は事故処理のベテランである
ネタにマジレスかもしれませんが、いろいろ考えたので。
おおいにありうる、小学生ならね
ポイントを絞ると
- 「米軍はインド洋上の航空機は全部捕捉し把握している」などということはないだろう
- ディエゴガルシア基地攻撃は困難
- 攻撃あるいは撃墜があったとしても、隠匿は困難
以下はその説明。
「米軍はインド洋上の航空機を全部捕捉し把握」?
- ディエゴガルシア基地のレーダーについては詳細不明ですが、航空機(高度1000〜5000m)についてはおそらく半径100〜160km程度の探知でしょう。高度が上がってもこの距離が劇的に伸びるわけではありません。これがインド洋でどれくらいの範囲か、以下の図にしました。左下にある「イギリス領インド洋地域」というのがディエゴガルシア基地です。
ディエゴガルシア基地へ自爆攻撃?
- インド洋には民間空路が多数あるので、そこから大きく外れていなければ軍のレーダーは特に注意を払いません。実際、マレーシア370機は東への反転後に民間の空路を選んでいたため、マレーシア軍のレーダー(担当員)はとくに異常と思わなかったそうですし。もしAWACSが探知していたとしても、民間の空路に沿ったものであればとくに注意を払わないでしょう
- もし民間空路を外れていれば(ディエゴガルシア方面へ直進すれば)、米軍基地の正面ゲートから徒歩で侵入しようとするようなもので、米軍からの捕捉撃墜は簡単であり、自爆攻撃の計画としてはありそうにない
- スリランカ→モルジブ→ディエゴガルシアという経路も遠回りすぎてあまり現実味がありません
- 機長が過激なイスラム原理主義者だという報道はありません。「イスラム教徒=自爆攻撃」は偏見に基づいた妄想でしょう
- 「基地に異常接近した民間機→基地全体が警戒態勢→民間機撃墜」のようなケースは、関係者が多すぎて外部に情報が漏れないと仮定するのは無理があります(故に機密扱いとはならない)。「軍が秘密裏に処理した」という話は、陰謀論者や陰謀小学生の好きなお話ベスト3に入ります。
- 海流を考えると、ディエゴガルシア近辺で撃墜され爆発四散した機体の破片などはアフリカ南西の海岸に漂着してもおかしくないはずですが、そういう話もない
アメリカが消極的?
もし撃墜隠匿の事実があるのなら、逆に捜索に積極的に参加しないと怪しまれるんじゃないでしょうか?
そしてもし積極的に(たとえばインドネシアやオーストラリア並みに)航空機や艦艇を出していたら、今度は
「特に関係のないアメリカが積極的なのはおかしい(捜索していると見せかけて隠蔽工作をしているにちがいない)」
などと言われそうな気もしますが……。
機体が見つからない理由
では機体はどうなったのでしょうか。
上記の最後に書いたように、デブリが見つからないのが謎です。
- 海上に不時着水し、機体の部分的な破損により乗客などを載せたまま数分で沈没
- どこかの熱帯雨林に不時着し、衝撃等により分解、全員死亡
いずれかではないかという気がします。
もちろん最近の報道にあるように、衛星写真に写っているデブリらしきものがホンモノだとすると、この限りではないのでしょうけど。
*1:水上艦艇が警戒のために常時展開している可能性もありますが、それらの探知範囲も基地のレーダーと大差ないはずです。