経済産業省は20日、「核のゴミ」といわれる高レベル放射性廃棄物の最終処理についての報告書をまとめた。高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋める地層処分に適した場所は「わが国に広く存在するであろう」と指摘している。政府は4月以降、地層処分にふさわしい場所を科学的に決める作業を始める。
報告書は経産省の地層処分技術作業部会が昨年10月から議論してまとめた。近く国民からの意見募集を始め、4月下旬の正式決定を目指す。
高レベル放射性廃棄物の最終処理について、政府は地層処分を軸に検討をすすめている。作業部会では日本の火山や断層の分布に照らしてみて、処分にふさわしい場所があるとの見解を示した。
核のゴミの最終処分地は国内には存在しない。国は02年から、自治体が候補地に応募する仕組みをとったが、うまくいかなかった。昨年末には国が最終処分地を選定する方針を決めた。今後は処分の適地について、科学的な基準をつくる。