ピピピピピがブログを書きますよ。

運動もせず、ヘタレ顔でキーボードに手を置くピピピピピがブログを書く。野人の如き豪快さが欲しいね。

幸せと不幸は仲良しで、どんなに幸せな時も不幸である

燃え上がるような興奮が殺到して、あらゆる事は可能性に満ちた光で、明るい場所に向かって突き進んで行けばなんとでもなるのだろうと、胸を踊らせるのだけれど、結局それは不合格を突きつけられる不格好な踊りでしかない。光と照明の熱さが顔を覆っている間は、恥も恐れも隠れているから大胆な踊り子になれるのだけれど、ひとたび光が消えてしまうと動作不良を起こす。隠れていたモノ達が顔を出して来て途端に赤面、痙攣が続く。周囲の存在全てを、夜目がきく粗探し屋だと捉えてしまい、足の震えが始まり、それは感情にまで到達する勢いである。

希望、失望、悲観。どちらかと言えば苦い味のするコーヒー。一口飲んだだけで、急速に胃まで流れ込んでいく絶望の塊。口の中に手を突っ込んでゲーゲーやるのだけれど、取り出せない。胸の奥に絶望の塊がいつまでも存在していて、しかもそれは胃酸を持ってしても消滅させる事が出来ない。

魔法の世界にでもいるような心地良い気分を味わっていたのに、何故扉を開けて出てしまったのだろうか。僕の人生はこの繰り返しで出来ている。魔法の世界で踊り狂い、現実の世界でガラスの破片を踏んで喚き散らす。お花畑に囲まれた幸福と、血だらけのガラス破片に囲まれた不幸。非情な高低差。情けのないギャップ。そのうち、血のついた足でお花畑に侵入してしまい、幸福な魔法の世界からも永久追放を食らう時が来るのだろう。そうなれば永久にガラス破片の上で暮らす生活だ。血液をオカズにご飯を食べ、血液で体を洗い、血液で文字を書く日々だ。

f:id:buzama-www:20140324111549j:plain

短時間で追い出される魔法の世界

お花の匂いが体全体を包み込むと、いつもは絶対に思いつかないような優しい言葉と景色で頭の中が溢れかえる。蟻は宝石に見え、蜘蛛は紋章に見え、ゴキブリは羅針盤に見えるほどだ。眼球を透明な水晶体にでも取り替えたかのように、あらゆるものが濁りのない湖のように優しく透き通って見える。涙と悲しみとは無縁な微笑みで構成された世界なのだから、ここを一生の住処としようと思うが、それは許されない事らしく飛ばされる。汚物の処理となんら変わりなく、僕の事も簡単に流してしまうのが魔法の世界だ。

幸せには不幸が付属している。

お花で作った冠を被って、クマのお腹をベッドにして熟睡するような幸せの中にも必ず存在するのが不幸である。心地良い眠りに入る僕の耳元で、がしゃんがしゃんと大量の皿が割れる音がして来るし、目だけぱっちり空いているのに体が動かない金縛りが始まる。金色の美しい蝶々がいれば、狂気を身に纏ったような模様の蛾もいる。美しさと醜さはセットなのであり、絶えず共存する事を強制されているのだ。

幸せの青い鳥を笑顔で追いかけていくと、途中、石につまずき顔から転ぶ。起き上がると赤い鬼になっている。青い鳥もいれば、赤い鬼もいる。誰もが追いかけたくなる幸福なんてものはインチキで、実は不幸とブレンドされた絶望の味がするコーヒーなのだ。

幸せが不幸を作り出し、不幸が幸せを作り出している。

雲の上を歩いているような、何者にも邪魔されない浮遊感を感じるほどの幸せを感じる事ってある。貴重な機会であるし、心の傷が癒える時間ではあるのだけれど、それと同時に、「所詮幸せってのは限定された時間の中で行われる一種の見世物だろ」と、幸せの終わりに不安を覚えてしまう。幸せに対する不安がどこまでも走って行き、気付くと不幸に到達しているのだ。

どん底の景色を渡されて冷や汗が流れる不幸な毎日を送る中で、それに慣れてくると、「これはこれで」と妥協を覚え始める。不幸に対しての妥協がどこまでも走って行き、気付くと幸せに達しているのだ。こうなってくると人生は幸不幸の二重らせん構造となる。幸せが不幸せの原因、不幸せが幸せの原因。幸不幸ってのは心を蝕んで崩壊させる無慈悲なビーバーだ。

動作を止めると幸不幸に打ちのめされる。

魔法の世界もガラスの破片が落ちた世界も、どちらも心に取っては良くない世界なのだ。最も安心かつ安全なのは、無心の世界である。自らの動作を止めて幸不幸について考えるのは、高層ビルの屋上でトランポリンをするのと同じぐらい危険性が高い。幸不幸のどちらも受け取りを拒否して、無心だけを所持して生きていこうと思う。幸不幸なんてのは核爆弾なんだ。安心も得られないどころか、破滅に導く最低最悪の一品。

無心の世界を開くための鍵は、没頭しかない。どんな種類の事でも構わないから、そこに全神経を集中させて、幸不幸が入り込む隙をなくす。これしかない。無心の世界の扉を開けて外に出ると串刺し、粉々、液体にされて地獄にある血の海に流されてしまう。四六時中なにかに没頭する癖をつけないとやられる。

僕はひとまず、無心の世界に入り込む一歩として読み書きだけに全神経を集中させて行こうと思う。一流ぶって世の中を見渡そうとしたり、どんな事でも華麗にこなすバーサタイリストを目指してしまうから精神錯綜が始まるのだ。自分はこれなら四六時中没頭出来るなというものを発見したら、それだけに集中した方が良い。これこそが幸不幸を寄せ付けない最善の策なのだ。

幸せにも不幸にもならないように、無心に生きていこうと思う。

 

考えすぎない (アルファポリス文庫)

考えすぎない (アルファポリス文庫)

 

 

そういや、以外とアマゾンの商品を購入してくれる人が多くて嬉しい(*^_^*)