【春場所】鶴竜、初優勝で横綱昇進確実「相撲をやってきてよかった」

琴奨菊（左）を寄り切りで下し、初優勝を決めた鶴竜

　◆大相撲春場所千秋楽（２３日・大阪市ボディメーカーコロシアム）　東大関・鶴竜（２８）＝井筒部屋＝は、大関・琴奨菊を寄り切り、１４勝１敗で初優勝を果たすとともに第７１代横綱への昇進を確実にした。

　鶴竜は先場所、１４勝１敗で並んだ横綱・白鵬に優勝決定戦で敗れたが、今場所前に日本相撲協会の北の湖理事長（元横綱）や横綱審議委員会（横審）が「１３勝以上の優勝」と明示していた昇進の目安をクリアした。２４日の横審を経て、２６日の夏場所番付編成会議と理事会で正式に昇進が決まる。

　新横綱の誕生は２０１２年九州場所の日馬富士以来で、モンゴル出身力士の横綱昇進は朝青龍、白鵬、日馬富士に続いて４人連続となる。

　鶴竜「相撲をやってきてよかった。毎日、自分の相撲を取ることだけを考えていた。こつこつやってきたことが、やっと結果として表れた。これからも一生懸命努力して、喜んでもらえる相撲を取っていきたい」

　鶴竜の師匠・井筒親方（元関脇・逆鉾）「まず優勝できたことがうれしい。師匠には弟子の活躍が一番ありがたい。おれを男にしてくれた。鶴竜に感謝したい」

　北の湖理事長（元横綱）「鶴竜は先場所で１４勝を挙げて優勝同点だった。２場所連続優勝と同じ成績と判断している。四つ身の強さを持っているので、堂々と正攻法で取ってほしい。それが横綱だ」

　九重親方（元横綱千代の富士）「鶴竜は攻めが速くなり、力強さも出てきた。得意とする型で勝つのが横綱の使命。今後も向上心を持ち、先輩横綱に負けないように頑張ってほしい」

　鶴竜の母オユントゥグスさん「本当にうれしい。毎日、隣にいてあげたいと思っていた。モンゴルからもみんなが応援している」

　◆鶴竜　力三郎（かくりゅう・りきさぶろう＝本名マンガラジャラブ・アナンダ）モンゴル・スフバートル出身、井筒部屋。０１年九州場所初土俵。０５年九州場所新十両。０６年九州場所新入幕。１２年夏場所で大関昇進。優勝１回、殊勲賞２回、技能賞７回。得意は突き、押し、もろ差し、寄り、投げ。１８６センチ、１５４キロ。２８歳。